日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

CT 性能評価・線量評価・その他

2018年1月20日(土) 13:50 〜 15:00 第2会場 (2階 鳳凰の間(西))

座長:室谷 夕子(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院)、関谷 俊範(神戸大学医学部附属病院)

14:10 〜 14:20

[31] X線CT検査におけるcontrast to noise ratio (CNR)を考慮した低管電圧撮影の検討

*朝野 聡明1、永森 嵩士1、藤沢 康雄1、田中 淳司1 (1. 大阪警察病院)

【背景】CT検査の被ばく線量を最小限に抑えるために,X線管電圧の最適化に対する関心が⾼まっている.被ばくの低減には低管電圧撮影が有用であるが,同じNoise/Index(N.I)で管電圧だけを低下させた場合はCNR が大きく変動する. GE社製のCTに搭載されているkV Assistの技術によって,scout画像より最適管電圧を選択し,CNRを担保しつつ,被ばく線量を低減させることが可能となったが,この機能の動作性能や有用性についての報告はされていない.

【目的】kV Assistの動作性能及び被ばく線量と画質に対する検討を行った.

【方法】電子密度ファントム(GAMMEX Inc. :RMI 467)を使用し,通常撮影条件の120kv,100kv及びkV Assistの各モード(CTA,bone,C+,C-)の撮影をそれぞれ3回ずつ行った.各条件のCTDIvolと撮影したファントムの各電子密度におけるCT値とバックグラウンド(BG)のCT値,SD値を測定し, CNRを算出した.

【結果】被ばく線量において,CTDIvolは通常撮影の120kvでは35.66mGy,100kvで38.14mGyであった.kV Assist動作時における各モードの測定値は,CTA:26.41mGy,bone:28.81mGy,C+:31.19mGy,C-:35.66mGyとなり, kV Assist を使用することでCTDIvolは減少した.CNRは通常撮影(120kv)と比較し,CTAモードでほぼ同程度の結果となった.

【結論】kV Assist を使用する事によりCNRを担保しつつ被ばく線量を低減する事が可能である事が示唆された.