日本放射線技術学会 近畿支部 第61回学術大会

講演情報

一般演題

IVR・CT透視

2018年1月21日(日) 10:35 〜 11:15 第3会場 (3階 孔雀の間(西))

座長:前田 勝彦(兵庫医科大学病院)、西岡 宏之(天理よろづ相談所病院)

10:45 〜 10:55

[55] TACEにおける低線量POST-CTの検討

*舩山 裕也1、室谷 和宏1、栗山 翔太1、西奥 忠純1、生駒 顕2、田中 文浩2、佐藤 大樹2、園村 哲郎2 (1. 和歌山県立医科大学附属病院、2. 和歌山県立医科大学附属病院 放射線科)

【背景】当院ではTACEの術中に,リピオドールの集積状態を確認するためIVR-CTにてPOST-CTを施行している.しかし複数回の撮影を行うため被ばくの増加が問題となっている.

【目的】TACEにおけるPOST-CTの被ばく線量を低減すること.

【方法】TACEが行われた肝細胞がん患者50例のリピオドールの平均CT値が同等となる自作模擬ファントムを作成する.IVR-CTにて管電圧120kV,管電流を変化させPOST-CTを施行する.医師3名,診療放射線技師2名の計5名により視覚評価を行う.その視覚評価において評価が高く,かつ管電流の低い条件から臨床に使用する.POST-CTの従来の条件と新条件でのTACE100例におけるTotal CTDIvol(mGy)を算出する.

【結果】管電流を変化させた画像による視覚評価では500mAの条件の評価が高かった.また管電流30mAの評価は管電流50mA以上のものに比べ有意に低い評価となった.この結果から低線量POST-CTの新条件を管電流50mAに決定した.従来の条件と新条件でのTACE100例におけるTotal CTDIvolでは,新条件の方が有意に低値を示した(p<0.05).

【考察】従来の条件でのTACE100例と新条件でのTACE100例におけるTotal CTDIvolで新条件の方が有意に低値を示したことから,新条件の低線量POST-CTを導入してからTACEにおける患者の被ばく線量低減の一助となったと考えられる.

【結語】低線量POST-CTを用いることでTACEにおける患者のTotal CTDIvolを低減することができた.