The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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シンポジウム

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シンポジウム3

Sat. Sep 25, 2021 12:30 PM - 2:00 PM No.2 site (ZOOM)

座長:恩地 隆(社会福祉法人恩賜財団 大阪府済生会富田林病院 医療機器管理室)、吉田 幸太郎(大阪大学医学部附属病院 臨床工学部 )

12:50 PM - 1:00 PM

[SY3-3] コロナ禍における臨床工学技士に求められる呼吸療法の知恵と技 〜重症度分類別施設におけるCEの役割〜

*大野 進1 (1. 滋賀県立総合病院・滋賀県立小児保健医療センター 臨床工学部 )

滋賀県立総合病院は、感染指定病院では無いため軽症から中等症を診る地域の中核病院として役割を果たしていた。しかしコロナ患者が増減する中、ピーク時には一般病棟の2病棟をコロナ病棟として患者の受け入れを行ってきた。2021年8月現在、中等症から重症までを見る1病棟36床をコロナ病棟としている。現在のコロナ病棟は、全室陰圧管理とし、透析2床、ハイフローネーザルカニュラ(HFNC)、人工呼吸器4台までを管理できる体制をとっている。臨床工学技士(CE)の関わりは機器の設備管理から始まり、人工呼吸器管理や患者の転院搬送を行ってきた。第3波までは、機器の設備管理が中心であったが、第4波からは、感染指定病院へ重症患者の転院が困難となることが増加し、当院でもHFNCと人工呼吸器の使用を開始した。2021年4月~8月までで16例のHFNCと1例の人工呼吸器管理を行い、6例の転院搬送を行った。うち5例はHFNCでの転院搬送であった。院内および搬送時のHFNCはトリロジーO2のCPAPモードを用いて、酸素ボンベを大量に持ち込み医師とCEにて患者搬送をおこなった。一般病棟をコロナ病棟に変えたことで圧縮空気配管が限られていたことと、基本的には重症患者は診ない方針のため転院を常に意識する必要があったためトリロジーO2でのHFNCは挿管や搬送にも対応できるため有用であった。また軽症から中等症までのコロナ患者を受け入れる目的でコロナ病棟を構築したため、看護師の配置は一般病棟看護師が中心となっている。コロナ病棟看護師は、数人のコアメンバーを除いて、日替わりで各病棟からの応援で管理しているため、HFNCや人工呼吸器管理等の重症呼吸器管理は指導の徹底が難しく、CEのサポートが重要となっている。

 滋賀県立小児保健医療センターではコロナ患者の受け入れは行っていないが、院内発症や外来患者に対するコロナ対策を行っている。総合病院との違いは、小児は気管カニューレの径が細いためカニューレの閉塞を考慮し、人工呼吸器は加温加湿器で管理する予定としている。また在宅人工呼吸器患者を多く管理しているため、在宅人工呼吸器患者が感染した場合の対策も講じている
 今回のセッションでは成人病院のコロナ中等症病院と小児病院でのコロナ対策について臨床工学技士の役割について述べる。