The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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循環器①

座長:中野 克哉(神戸大学医学部附属病院 臨床工学部)、清水 好(関西医科大学総合医療センター 臨床工学センター)

[05-02] suctionリザーバー付きcentral ECMOを使用した1症例

*東 徹1、今村 亮太1、橋本 裕貴1、山本 和輝1、井ノ上 哲智1、三浦 晃裕1、小西 康司1 (1. 奈良県立医科大学附属病院 医療技術センター)

【諸言】

 近年、劇症型心筋炎など急速に循環動態が破綻する症例にV-AECMOの遠心ポンプと人工肺のシステムを用いて、脱血、送血をそれぞれ右房、上行大動脈から行う開胸下体外式膜型人工肺(以下central ECMO)の使用報告がある。今回、心破裂で心タンポナーデ患者にsuctionリザーバー付きcentral ECMOを使用したので報告する。

【症例】

 75歳男性、アブレーション施行中に急激な血圧低下、心嚢液貯留を認め、手術室に移動となった。入室後、さらに急激な血圧低下を認め、胸骨正中切開でアプローチし、上行大動脈送血、右房2-stage1本脱血でsuctionリザーバー付きcentral ECMOを開始した。循環動態をサポートし、修復後は循環動態が安定したので、central ECMOを離脱し、閉胸、集中治療室に帰室となった。

【方法】

 回路構成はPCPS回路(泉工医科工業株式会社製:以下 泉工)で遠心ポンプと脱血管の間に補液ラインがあり、その分岐部に3/8mm(10mm)チューブのルアーロックを繋ぎ、3/8mm(10mm)チューブ先をリザーバー(泉工)出口に接続した。リザーバー入口に1/4mm(6mm)チューブを繋ぎ、それをローラポンプに接続し、チューブ先を術野に渡す事で、suctionとして使用した。問題点として、吸引による回収血をリザーバー下限レベル100mlと定め、鉗子操作で捕液ラインに返血していたが、開放式リザーバーを使用しているため、リザーバー血が無くなればエアを送る可能性があった。

【考察】

 「不安定な貯血槽レベルは、急激な貯血槽レベルの低下で送血回路に気泡を送り込む危険性がある」と報告されている。suctionリザーバー付きcentral ECMOを使用し、出血分を返血することで輸血使用量などを抑制することができたが、リザーバーレベルは目視でしか確認できないため、安全面の確保は艱難であった。今後は簡易的なレベルセンサーを使用するなど、安全面を考慮した使用を検討する必要がある。

【結語】
 今回はsuctionリザーバー付きcentral ECMOを問題なく使用することができたが、今後は安全面を強化し、より安全使用していきたいと考える。