[05-06] PM植込み患者のPAFに対してクライオバルーンアブレーション施行後、心房閾値が一過性に上昇した一例
【症例】70歳代男性。2019年11月に高度房室ブロック、洞不全症候群に対してペースメーカー(PM)植込みとなった。本体は左胸壁、心房、心室リード共に中隔へ留置した。モードはMVP60/130ppmで設定し、その後当院でフォローとなった。遠隔モニタリングで心房細動(PAF)を複数回認めるため、2021年2月にクライオバルーンアブレーション施行となった。
【経過】手技前にPMチェックを行った。心房波高1.4mV、閾値0.75V/0.4ms、抵抗513Ω。心室波高17mV、閾値1.125V/0.4ms、抵抗741Ω。心房ペーシング率59.5%、心室ペーシング率3.7%であった。VVI40ppmに設定変更し、手技を開始した。LSPV→LIPV→RIPV→RSPVの順に冷凍隔離し、Voltage mapを作成後、肺静脈が十分に隔離されていることを確認し、手技を終了した。終了直後、心房閾値が3.0V/0.4msに閾値上昇を認めた。退室時は心房波高3.6mV、閾値2.75V/0.4ms、1.25V/0.6ms、抵抗475Ωで、パルス幅を0.6msに変更した。退院前のPMチェックは、心房波高2.5mV、閾値1.0V/0.4ms、抵抗475Ωであり、その後、外来受診でのPMチェックや遠隔モニタリングでも問題はなかった。
【考察】心房リードの留置位置は術前後で変化はなかった。心房リードとRSPVの隔離範囲が近かったため、冷却により、一過性に閾値が上昇したと考えられた。心房中隔ペーシングはPAFの発生率を抑制すると報告されているが、PAFになりクライオバルーンを用いた肺静脈隔離術を施行した際、今回のような一過性の閾値上昇が懸念される。
また、ペーシング依存する患者の場合、冷却中にペーシング不全になりえることを考慮しなければならない。
【経過】手技前にPMチェックを行った。心房波高1.4mV、閾値0.75V/0.4ms、抵抗513Ω。心室波高17mV、閾値1.125V/0.4ms、抵抗741Ω。心房ペーシング率59.5%、心室ペーシング率3.7%であった。VVI40ppmに設定変更し、手技を開始した。LSPV→LIPV→RIPV→RSPVの順に冷凍隔離し、Voltage mapを作成後、肺静脈が十分に隔離されていることを確認し、手技を終了した。終了直後、心房閾値が3.0V/0.4msに閾値上昇を認めた。退室時は心房波高3.6mV、閾値2.75V/0.4ms、1.25V/0.6ms、抵抗475Ωで、パルス幅を0.6msに変更した。退院前のPMチェックは、心房波高2.5mV、閾値1.0V/0.4ms、抵抗475Ωであり、その後、外来受診でのPMチェックや遠隔モニタリングでも問題はなかった。
【考察】心房リードの留置位置は術前後で変化はなかった。心房リードとRSPVの隔離範囲が近かったため、冷却により、一過性に閾値が上昇したと考えられた。心房中隔ペーシングはPAFの発生率を抑制すると報告されているが、PAFになりクライオバルーンを用いた肺静脈隔離術を施行した際、今回のような一過性の閾値上昇が懸念される。
また、ペーシング依存する患者の場合、冷却中にペーシング不全になりえることを考慮しなければならない。