[05-05] S-ICD早期電池消耗の実臨床での電池残量の変化を遠隔モニタリングシステムにより確認・早期介入出来た1症例
【緒言】2020年12月BostonScientific社よりS-ICD(BostonScientific社製)の早期電池消耗の報告が出されたが、実臨床で早期電池消耗発生時の電池残量の経時的変化を確認出来た報告は少ない。今回遠隔モニタリングシステム(remote monitoring system: RMS)により、S-ICD植込み患者の早期電池消耗発生時の電池残量の経時的変化の確認および早期介入出来た症例を経験したので報告する。
【症例】30代男性
【家族歴】弟:Brugada症候群
【経過】20XX年ふらつきと動悸を主訴に近医を受診。しかし血液検査等で異常所見は見られず、精査目的で当院受診となる。当院の心電図検査ではピルシカイニド負荷でCoved型ST上昇を認め、またEPS検査では心室細動が誘発された為、Brugada症候群と診断されS-ICD植込みとなる。S-ICD植込み後は作動無く安定して経過していたが、BostonScientific社よりS-ICDの早期電池消耗が報告された事でRMSで経過を追っていた。電池残量は20XX+2年11月の定期外来では56%、その後RMSにて20XX+2年12月55%、20XX+3年1月54%と毎月1%程の電池消耗であった。しかし最終送信日から7日後の定期送信での電池残量は16%と、7日間で38%の急激な電池消耗が起きていた。以上の経過より、早期電池消耗と判断されS-ICD電池交換術が施行された。その後現在に至るまで安定した経過をたどっている。
【考察】BostonScientific社の報告は「早期電池消耗の原因は、電源をサポートする低電圧コンデンサに少量の水素が放出された場合、電気的性能が経時的に損なわれることによって電池消耗が加速する」とされているが、電池消耗の早さに関しては明記されていない。S-ICDの電池消耗は通常毎月1%程であるが、早期電池消耗の場合、短期間で急激な電池消耗が起きることを本症例で確認出来き、さらに同様の症例報告も見られる。よって本事例に対し電池残量の経時的変化の確認および早期介入するためには、RMSにより対応する他ないと考える。
【結語】S-ICD植込み患者の早期電池消耗に対してRMSにより経時的変化の確認および早期介入出来た症例を経験した。
【症例】30代男性
【家族歴】弟:Brugada症候群
【経過】20XX年ふらつきと動悸を主訴に近医を受診。しかし血液検査等で異常所見は見られず、精査目的で当院受診となる。当院の心電図検査ではピルシカイニド負荷でCoved型ST上昇を認め、またEPS検査では心室細動が誘発された為、Brugada症候群と診断されS-ICD植込みとなる。S-ICD植込み後は作動無く安定して経過していたが、BostonScientific社よりS-ICDの早期電池消耗が報告された事でRMSで経過を追っていた。電池残量は20XX+2年11月の定期外来では56%、その後RMSにて20XX+2年12月55%、20XX+3年1月54%と毎月1%程の電池消耗であった。しかし最終送信日から7日後の定期送信での電池残量は16%と、7日間で38%の急激な電池消耗が起きていた。以上の経過より、早期電池消耗と判断されS-ICD電池交換術が施行された。その後現在に至るまで安定した経過をたどっている。
【考察】BostonScientific社の報告は「早期電池消耗の原因は、電源をサポートする低電圧コンデンサに少量の水素が放出された場合、電気的性能が経時的に損なわれることによって電池消耗が加速する」とされているが、電池消耗の早さに関しては明記されていない。S-ICDの電池消耗は通常毎月1%程であるが、早期電池消耗の場合、短期間で急激な電池消耗が起きることを本症例で確認出来き、さらに同様の症例報告も見られる。よって本事例に対し電池残量の経時的変化の確認および早期介入するためには、RMSにより対応する他ないと考える。
【結語】S-ICD植込み患者の早期電池消耗に対してRMSにより経時的変化の確認および早期介入出来た症例を経験した。