The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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血液浄化①

座長:重松 武史(宮本クリニック 臨床工学科)、松本 真季(日本赤十字社 和歌山医療センター 臨床工学技術課)

[03-04] 腹水濾過濃縮再静注法における副作用 発熱に関する検討

*川口 直也1、森 諭司1、岡本 勇貴1、常本 晋平1 (1. 大和高田市立病院臨床工学科)

【はじめに】当院はがん診療連携支援病院であり、がん治療として手術・化学療法・放射線治療による集学的治療を行い、また病院連携や病診連携を強化することで中和地域のがん医療を支えることを目指している。その一環として、当院の臨床工学技士は難治性腹水を発症した患者に対して、副作用である発熱の少ない改良型腹水濾過濃縮再静注法(以下KM-CART)を行い、癌終末期患者のQOL向上に努めている。しかし、KM-CARTを行った患者の経過を追跡しておらず、本当に患者のQOL向上に貢献できているか疑問に感じた。そこで、今回KM-CARTを施行した患者において、発熱の有無を調査したので報告する。
【対象】2013年2月~2021年5月まで、当院でKM-CARTを施行した患者66名(男性24名、女性42名、年齢41~93歳)。
【方法】KM-CART施行前後で体温測定を行い、治療後37.5℃以上を発熱群とし、発熱の有無を対応するt検定(片側)で優位水準5%未満を有意差ありとして調査した。
【結果】66名中、発熱群は24名であった。前体温は36.7±0.4℃、KM-CART施行後の後体温は37.2±0.8℃であり、p<0.05で優位に体温上昇を認めた。
【まとめ】今回の検討でKM-CARTを行うことにより、副作用である発熱が優位に発生することが分かった。この結果を受けて、臨床工学技士として何らかの対策を立てる必要性があると考えた。そのため、発熱群における男女別、年齢別、原疾患別、濃縮率、静注速度の因子が発熱に影響を与えるのか追加検討を行うことにした。追加検討に関しては、発表当日に考察を加え報告する。