The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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循環器②

座長:畑中 晃(社会医療法人 岡本病院(財団) 京都岡本記念病院 診療技術部 臨床工学科)、橋本 幹也(和歌山県立医科大学附属病院 臨床工学センター)

[06-01] 当センターでのOCT guided PCIにおける造影剤使用量推移と臨床工学技士としての関わり

*桑原 大輝1、松田 翔希1、多田 智基1、﨑 健祐1、亀井 理生1 (1. 奈良県総合医療センター 臨床工学技術部)

【はじめに】

光干渉断層法(OCT)を用いた血管内画像の撮影にはフラッシュ溶液による血球除去が必要とされている.フラッシュ溶液は造影剤が推奨されるが,造影剤使用量の増加が問題となる.当センターでは経皮的冠動脈形成術(PCI)における血管内イメージングデバイスとして2016年からOCTの使用を開始した.当センターにおけるOCT guided PCI施行患者に対する造影剤使用量の年間推移をまとめ,これまでの臨床工学技士(CE)の関わりも併せて報告する.

【方法】

2016年1月〜2020年12月のOCT guided PCI施行症例377件を対象に,PCI1件あたりの平均造影剤使用量を年別で比較した.冠動脈2枝以上を同時に治療した症例者は対象外とした.

【結果】

OCT guided PCI1件あたりの平均造影剤使用量の年間推移は2016年:181mL,2017年:170mL,2018年:130mL,2019年:120mL,2020年:114mL となり,2016年以降全ての年で造影剤使用量は減少を示した.

【取り組み】

当センターではOCT導入当初,フラッシュ溶液:100%造影剤,オートプルバックの条件で撮影していた.造影剤削減のためには機器の特性上,マニュアルプルバック方式が適しており,オート方式と同等の画質を得るにはプルバックタイミングが重要であった.医師,CEでディスカッションを行い準備,撮影までの声かけや流れを統一した.2018年の低分子デキストラン使用開始時は,前年に統一した撮影の流れを用いてOCTに習熟したCEと未習熟のCEの2人1組で撮影に臨み,PCIに関わるCEの技量統一化を図った.現在では造影剤,低分子デキストランに関わらずマニュアル方式で綺麗な画像を得られる体制が構築できている.プルバック1回の造影剤量削減と100%造影剤でのプルバック数削減が造影剤削減の一助になったと考える.

【結語】

造影剤削減に関わるCEの取り組みを報告した.プルバック1回の使用量削減とフラッシュ溶液の変更が造影剤量削減の一助となったが,その条件で良好な画像を得るにはCEの技術習熟も重要である.