The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

Presentation information

一般演題

オンデマンド配信(一般演題) » 循環器

循環器②

座長:畑中 晃(社会医療法人 岡本病院(財団) 京都岡本記念病院 診療技術部 臨床工学科)、橋本 幹也(和歌山県立医科大学附属病院 臨床工学センター)

[06-02] ロータブレーターPROTM使用中、急激な回転数の上昇を経験して

*三浦 翼1、孫野 茂樹1、松尾 光則1、中尾 一浩2、山崎 貴紀3 (1. 大阪市立大学医学部附属病院 医療機器部、2. 大阪市立大学医学部附属病院 循環器内科、3. 大阪市立大学大学院医学研究科 循環器内科学)

【背景】
 当院ではPCI施行時にロータブレーターPROTMを使用する際、臨床工学技士がシステムの準備、切削中の回転数減少のカウント・切削時間・心拍数の記録を行っている。今回、切削中に急激な回転数の上昇を経験したので報告する。
【事例】
 79歳男性、左回旋枝の近位部に対してPCIを施行した。病変部をOFDIで観察し、石灰化病変に対しロータブレーターPROTMを用いた切削が必要と判断し、バーサイズ1.5mmで切削を開始した。回転数は18万回転で開始し、3~9千回転の減少を繰り返すが通過に難渋した。20回目の切削開始時に異音と共に回転数が24万回転まで急激に上昇した。すぐに回転を停止させ、ワイヤーごとバーの抜去を行い、体外で目視確認を行ったところ、ドライブシャフトがシースから過度に露出した状態となっていた。切削時間の確認を行うと計350秒と添付文書上の連続使用時間を超えており、アドバンサ内部の異常も考えられたためアドバンサ/カテーテルの交換を行った。その後追加で切削を行い、DCB施行後OFDIによる観察で問題がないことを確認し、バイタルの著変もなく治療終了となった。
【原因】
 予測ではあるが、連続した使用が原因でアドバンサ内部が高温となり、ガスタービンを構成する樹脂が溶け、ドライブシャフトの回転数制御が困難となり、不具合が生じたことが考えられる。現在メーカが詳しい原因を調査中である。
【対策】
 今一度業務担当者へ後述する装置に関する注意喚起を行い、再発防止を行った。1回の作動時間が30秒を超えない、連続使用時間が計5分を超えないように注意し術者へ声をかける。計5分を超える前にアドバンサ/カテーテルの交換を検討する。
【結語】
 今回の事例は連続使用時間に注意していれば防げた可能性がある。臨床工学技士が装置の仕様を理解した上で診療補助を行い、誤った使用方法による不具合を発生させないことが重要である。