[06-04] 大腿膝窩動脈ステント内再狭窄および再閉塞病変に対してLASER atherectomyを施行し末梢塞栓を来たした症例と予防できた症例の検討
症例1:80歳代男性、主訴は間欠性跛行、当院に精査治療目的で入院となった。2013年に右大腿膝窩動脈 (FP: femoropopliteal)に対して末梢血管内治療(EVT: endo vascular treatment)を施行されている。下肢動脈造影の結果、右FPのステント内再狭窄病変を認めEVTを施行する方針となった。ワイヤー通過後に血管内超音波を使用して病変性状の評価を行い2.0mmのLASERを用いて病変部の蒸散を行った。LASER後の造影で膝窩動脈以下はno flowの状態となった。Pero、PTAに吸引カテーテルで吸引を行い2.0mmのバルーンで拡張を行った。マイクロカテーテルを末梢まで進めて先端造影を行うと、足関節以下まで血流は確認できたがslow flowの状態であった。ステント内を5.0mmのバルーンで後拡張後はFPの良好な血流が得られたため手技を終了となった。
症例2:70歳代男性、主訴は間欠性跛行、当院に精査治療目的で入院となった。2017年に右FPに対してEVTを施行している。下肢動脈造影の結果、Viabahnステントグラフト内の再閉塞を認め、EVTを施行する方針となった。ワイヤー通過後、血管内超音波を使用して病変性状を評価したところ血栓が存在したため、まずガイディングカテーテルで血栓吸引を行った。その後FILTLAPを留置し、2.3mmLASERを用いて蒸散を行った。LASER後に血管内超音波にてViabahnステントグラフト内を評価したところ、ステントグラフト内に多量の血栓の残存・両端部に動脈硬化性病変を認めたため、Eluvia 6.0*80mm、6.0*120mmを用いてViabahnをフルカバーする形で留置した。6.0mmのバルーンで後拡張を行い、血管造影したところFILTRAP内にて塞栓物を認め、回収後に再度造影を行うと末梢塞栓もなくFPに良好な血流が得られたため手技を終了とした。
今回、FPのステント内再狭窄および再閉塞病変に対してLASER atherectomyを施行し、末梢塞栓を来たした症例と予防できた症例を経験したので若干の文献的考察を踏まえ報告する。
症例2:70歳代男性、主訴は間欠性跛行、当院に精査治療目的で入院となった。2017年に右FPに対してEVTを施行している。下肢動脈造影の結果、Viabahnステントグラフト内の再閉塞を認め、EVTを施行する方針となった。ワイヤー通過後、血管内超音波を使用して病変性状を評価したところ血栓が存在したため、まずガイディングカテーテルで血栓吸引を行った。その後FILTLAPを留置し、2.3mmLASERを用いて蒸散を行った。LASER後に血管内超音波にてViabahnステントグラフト内を評価したところ、ステントグラフト内に多量の血栓の残存・両端部に動脈硬化性病変を認めたため、Eluvia 6.0*80mm、6.0*120mmを用いてViabahnをフルカバーする形で留置した。6.0mmのバルーンで後拡張を行い、血管造影したところFILTRAP内にて塞栓物を認め、回収後に再度造影を行うと末梢塞栓もなくFPに良好な血流が得られたため手技を終了とした。
今回、FPのステント内再狭窄および再閉塞病変に対してLASER atherectomyを施行し、末梢塞栓を来たした症例と予防できた症例を経験したので若干の文献的考察を踏まえ報告する。