The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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血液浄化②

座長:村田 渉(独立行政法人 地域医療機能推進機構 滋賀病院 臨床工学部)、峰松 佑輔(大阪大学医学部附属病院)

[04-05] 血液透析治療における装置の操作およびトラブル対処トレーニングシステムの開発

*鐘ヶ江 勇祐1、松山 紗千2、安田 怜那3、柿花 圭太4、甲田 梨乃5、穴手 晴香6、田靡 幸樹7、田坂 雪菜8、大谷 彩香9、西手 芳明1 (1. 近畿大学 生物理工学部 医用工学科、2. 紀南病院 臨床工学科、3. 宇治徳洲会病院 臨床工学科、4. 関西医科大学付属病院 臨床工学センター、5. 西和医療センター 臨床工学技術部、6. 飯塚病院 臨床工学部、7. 大阪大学医学部付属病院 臨床工学部門、8. 近畿大学病院 臨床工学部、9. 那賀病院 臨床工学科)

【背景】血液透析治療は十分な知識と技術を持ち合わせ、治療およびトラブル対処を行わなければならない。しかしながら、知識や技術の習得は、ほとんどが臨床での経験が中心となっている。

【目的】血液透析装置の基本操作および治療中に発生するトラブルに対する対処トレーニングシステムの開発を行う。これにより、臨床以外でトラブル対処の実践的なトレーニングが可能となり、透析治療中の医療事故の減少を目的とする。

【方法】血液回路にサーボモータによるクランプ装置を設置し、プログラミングソフト Arduino IDE® により制御を行う。次に、スマートフォンにてサーボモータを遠隔操作にて作動させるため、コントローラボード ELEGOO UNO R3®にプログラミングを行う。これにより血液回路を屈曲させ閉塞関連のトラブルを発生させる。閉塞の状態になると透析装置からは警報が発生する。これらの制御により、トラブルおよび警報が発生するシステムを作製する。さらに本システムにより、トラブルおよび警報が確実に発生するか検証を行う。

【結果】スマートフォンでの遠隔操作によりサーボモータの制御が行え、任意のトラブルおよび警報を発生させる事が可能であった。

【考察】閉塞によって発生する血液透析治療のトラブルを再現し、警報を発生させることができた。しかしながら、クランプ装置およびサーボモータの作動音や動きが顕著過ぎて、トラブル箇所が分かりやすいと考えられる。このことから、臨床の状況に似たトラブルが再現できるシステムへの改良が必要だと考えている。また、閉塞以外のトラブルも存在するため、今後は気泡混入や漏血なども取り入れる必要があると考える。

【結語】実際の透析装置で行えるトレーニングシステム開発を行った。サーボモータを用い、プログラミングにて制御を行うことで血液回路が閉塞し、透析装置から警報を発生させることが確認できた。今後は、他のトラブルも取り入れる必要がある。