The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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血液浄化②

座長:村田 渉(独立行政法人 地域医療機能推進機構 滋賀病院 臨床工学部)、峰松 佑輔(大阪大学医学部附属病院)

[04-06] 眼球運動測定システムを用いた透析装置操作におけるトラブル対応の比較検討-操作技術の向上を目指して-

*川本 彩乃1、大條 由貴1、松村 大輔3、福田 麻衣2、足立 道伸4、桂尾 瑞希5、西手 芳明1 (1. 近畿大学 生物理工学部 医用工学科、2. 西宮渡辺心臓血管センター 臨床工学部、3. 吉江医院 臨床工学部、4. 姫路赤十字病院 臨床工学技術課、5. 近畿大学病院 臨床工学部)

【背景および目的】血液透析治療は、十分な知識と技術により治療及びトラブル対処を行わなければならない。しかしながら装置の操作やトラブル対処の技術を習得する機会が少ない。そこで本研究では眼球運動測定システムにより熟練者と初心者の視線及び動作を記録し、効率の良い教育方法の構築を目的とする。

【方法】透析装置DBG??-03を用いて熟練者1名(臨床経験18年)と学生5名を対象に透析装置から①返血ルート閉塞、②脱血ルート閉塞、③気泡混入の3種類のトラブルを発生させ対処トレーニングを行う。最初に説明文を5分間閲覧してもらい、眼球運動システムTalkEye Lite??を用いて装置の警報発生から原因箇所の特定または対処完了(復帰)までをサンプリング範囲とし、対処時間と視線の総移動距離により比較検討を行う。また初心者に対し熟練者の視線やフローチャートを参考にブリーフィングを行い、2回目以降のトレーニングを1週間以内に行う。ただしブリーフィングは1回目のトレーニング終了時に行う。

【結果】熟練者に対し学生の対処時間はトラブル①~③の全て及び視線移動距離は長くなった。さらに学生は視線のポイント数が多く、広い範囲に分散していることが確認できた。またブリーフィング後にトレーニングを繰り返すことで、対処時間及び視線移動距離が短くなり、視線の移動にも変化があった。

【考察】学生はトラブル対処完了までに動揺やあせり、対処方法の模索、不慣れな動作等の要因で対処時間及び視線移動距離は長くなったと考えられる。しかしながらブリーフィング後にトレーニングを繰り返すことで適切な対処方法を習得したため、それぞれの対処時間が短くなったと考えられる。これらより学生に対し熟練者の視線及び操作を参考に繰り返しトレーニングを行うことが知識と技術の向上に有効だと考えられる。

結語】ブリーフィング後にトレーニングを繰り返すことで知識と技術の向上に有効であると示唆された。