第27回近畿臨床工学会

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COVID-19②

座長:紙崎 絢(京都大学医学部附属病院 医療器材部)、楠本 繁崇(大阪大学医学部附属病院)

[10-03] 当院におけるCOVID-19に対するCEの関わり

*岸 千晴1、岩下 裕一1、菱矢 直邦2 (1. 市立奈良病院 臨床工学室、2. 市立奈良病院 感染制御内科)

【はじめに】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の増加により、当院ではCOVID-19に対する専用病床を確保し、受け入れを行っている。今回、当院でのCOVID-19に対するCEの関わり方について報告する。
【当院の概要】
当院は350床(うち感染症1床)を有する奈良市の中核病院であり、第二種感染症指定医療機関である。COVID-19受け入れに伴い、専用病床34床(うち重症2床)を確保している。CEは9名在籍し、当直体制にて医療機器管理を中心とした業務にあたっている。
【取り組み】
COVID-19受け入れ体制として、既存の病棟で個室病室には酸素配管のみであったため、重症化した患者の人工呼吸器管理ができるよう治療用空気配管の設備を整えた。また、隣接する病棟の病床一部を専用病床として稼働させるために、病棟間の生体情報モニタのアンテナを拡張し、一つのナースステーションでモニタリングが行えるようにした。人工呼吸器において、HEPAフィルタ内蔵型の人工鼻・呼気フィルタを選定し、呼気弁をディスポーザブル品にした。また、人工呼吸器使用時は始業点検をはじめ、回路交換やアラーム時、搬送などすぐに対応できるようにしている。COVID-19における人工呼吸器等の医療機器の操作・管理方法について確認指導を目的に、看護師に対して勉強会を複数回開催した。High -flow nasal cannula(HFNC)においては、各学会・研究会の情報をもとに当院でも使用する方針となり、マニュアルを作成し看護師との連携をとった。現在では、人工呼吸器2台、HFNC8台をCOVID-19専用として確保している。
【まとめ】
当院でのCOVID-19に対するCEの関わり方について報告した。COVID-19の感染拡大を防止し、患者とスタッフの安全のために医師、看護師、各職種と連携することが大切である。