[08-03] EnSite™専用体表面電極キット変更を契機に発生したEnSite™システム動作不良について
【はじめに】
EnSite™とはカテーテルアブレーション時に使用する3Dマッピング装置の1つである。体表面に貼る専用電極キットによりインピーダンスを測定し、体内の電極カテーテルの位置を表示させることができる。今回、専用体表面電極キットの規格変更を契機にEnSite™システムの動作不良を経験したので報告する。
【事例】
EnSite™専用体表面電極キットは規格変更に伴い対極板が変更された。(変更後1例目)通常通りの術前準備を行い、治療を開始したところ、ジオメトリーは作成できたが高周波通電時に電極カテーテルの表示に異常を生じた。対極板の貼付位置を変更することで改善できた。対極板間貼付距離が近いことによる事象と判断した。(変更後2例目)対極板間貼付距離を20㎝以上し、治療を行ったところ異常は発生しなかった。(変更後3例目)左房のジオメトリー作成および高周波通電時に異常なかったが、心腔内除細動実施後から1例目と同様の高周波通電時に電極カテーテルの表示異常が発生し、本症例においては対極板の貼付位置を変更しても改善は見られなかった。システムの異常を疑い、ワークステーション以外の高周波通電装置を含めた全装置の交換を行ったところ、現在まで前述の事例は発生せず経過している。
【考察】
EnSite™は購入後、メンテナンス契約を締結しメーカーによる年に2回の定期点検を行っており、特に異常なく経過していた。本事象から、EnSite™専用体表面電極キットの規格変更に伴い対極板のエネルギーの回収能力に変化があったと推測され、その変化により点検でも検出困難な軽微な異常が助長され本事象につながったのではないかと考えている。現状ではEnSite™は臨床以外でのテスト稼働を行うことが困難であり、製造元による結果報告を待つことしかできない。今後、臨床以外でのテスト稼働ができるような何らかの方法を検討する必要があると考えられた。
【結語】製品の規格変更時などは慎重な対応が必要であると痛感した事例であった。
EnSite™とはカテーテルアブレーション時に使用する3Dマッピング装置の1つである。体表面に貼る専用電極キットによりインピーダンスを測定し、体内の電極カテーテルの位置を表示させることができる。今回、専用体表面電極キットの規格変更を契機にEnSite™システムの動作不良を経験したので報告する。
【事例】
EnSite™専用体表面電極キットは規格変更に伴い対極板が変更された。(変更後1例目)通常通りの術前準備を行い、治療を開始したところ、ジオメトリーは作成できたが高周波通電時に電極カテーテルの表示に異常を生じた。対極板の貼付位置を変更することで改善できた。対極板間貼付距離が近いことによる事象と判断した。(変更後2例目)対極板間貼付距離を20㎝以上し、治療を行ったところ異常は発生しなかった。(変更後3例目)左房のジオメトリー作成および高周波通電時に異常なかったが、心腔内除細動実施後から1例目と同様の高周波通電時に電極カテーテルの表示異常が発生し、本症例においては対極板の貼付位置を変更しても改善は見られなかった。システムの異常を疑い、ワークステーション以外の高周波通電装置を含めた全装置の交換を行ったところ、現在まで前述の事例は発生せず経過している。
【考察】
EnSite™は購入後、メンテナンス契約を締結しメーカーによる年に2回の定期点検を行っており、特に異常なく経過していた。本事象から、EnSite™専用体表面電極キットの規格変更に伴い対極板のエネルギーの回収能力に変化があったと推測され、その変化により点検でも検出困難な軽微な異常が助長され本事象につながったのではないかと考えている。現状ではEnSite™は臨床以外でのテスト稼働を行うことが困難であり、製造元による結果報告を待つことしかできない。今後、臨床以外でのテスト稼働ができるような何らかの方法を検討する必要があると考えられた。
【結語】製品の規格変更時などは慎重な対応が必要であると痛感した事例であった。