The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

Presentation information

一般演題

オンデマンド配信(一般演題) » 手術室

手術室①

座長:高橋 篤志(兵庫医科大学病院 臨床工学部)、服部 剣士(奈良県立医科大学附属病院 医療技術センター)

[11-03] 手術室業務におけるタスクシフト~当院での臨床工学技士の役割~

*黒川 翼1、進藤 僚介1、細川 さやか1、松本 拓也1 (1. 医療法人徳洲会 近江草津徳洲会病院 臨床工学科)

【背景】
当院では外科・整形外科領域を中心に年間約770件の手術を行っている。臨床工学技士(以下CE)は2017年に心臓血管外科が撤退して以降、手術室業務には携わっていなかった。昨年、「医師の働き方改革を進めるためのタスクシフト/シェアの推進に関する検討会」では、器械出し、鏡視下手術でのカメラ保持・操作、麻酔装置の操作などが新たに実施可能な業務として挙げられた。
【目的】
当院手術室では慢性的に看護師が不足しており、オンコールでの緊急手術では看護師が器械出しを行えないこともあった。今回、医師・看護師より手術室業務への介入依頼があり、手術室業務のおけるタスクシフトを行った為、報告する。
【方法】
2020年11月よりCE3名を選任し、1日に1名を手術室に配置することとした。器械出し業務が行えるように看護師に指導担当になってもらい、オリエンテーションを実施した。その後、指導担当の看護師に付いてもらい器械出し業務の見学、練習を開始した。
【結果】
同様の症例を複数回経験後、執刀医の了解を得てCEのみでの器械出しを開始した。5ヶ月後には3名とも器械出し業務への従事が可能となり、1名はオンコールへの対応も行っている。また、器械出し以外にも鏡視下手術でのカメラ保持、展開、片付け、患者の入退室、ポジショニングなども行っている。
【考察】
業務介入当初は3名とも清潔操作での器械出しに不安があったが、指導担当の看護師に付いてもらいながら覚えることができた為、不安は軽減された。しかし、ポジショニングなど症例ごとに異なる技術の習得には難しさを感じており、勉強会などへの参加が必要だと思われる。
【結語】
今後は看護師の負担を軽減するためにも、CEがスタッフを教育できる体制の構築が必要である。また、タスクシフトで挙げられている麻酔装置の操作や、メーカーの立ち合い規制に対応できるように整形外科領域での術中ナビゲーション操作にも携わっていきたい。