The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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手術室①

座長:高橋 篤志(兵庫医科大学病院 臨床工学部)、服部 剣士(奈良県立医科大学附属病院 医療技術センター)

[11-04] 臨床工学技士によるスコピスト業務を開始して ~第2報~

*田靡 恵吾1、進藤 樹也1、正木 昭次1 (1. 社会医療法人財団聖フランシスコ会姫路聖マリア病院)

【はじめに】

当院の内視鏡外科手術件数は増加傾向にあるが、外科医師は減少傾向にあり、外科部長より臨床工学技士(以下:CE)にスコピスト業務の打診があった。2019年7月より医師の負担軽減、円滑な手術室運営、さらに手術室での内視鏡手術機器に関するトラブルが多いことから、安全な手術遂行を目的にCEによるスコピスト業務を開始した。業務開始から1年半が経過し、これまでの取り組みについて報告させて頂く。

【業務開始までの準備】

①他施設におけるスコピスト業務の状況と学会報告について確認

②関連部署の外科部長、手術室看護師長、臨床工学課長でスコピスト業務内容の取り決め

③手術室運営委員会にて、CEによるスコピスト業務の承認を得る

④院内経営会議にて、CEによるスコピスト業務の承認を得る

⑤手指衛生・感染対策の研修を実施

⑥内視鏡外科手術動画を閲覧し、手技を確認した後、外科医師の指導の下スコピストを実施

【業務開始後の新たな取り組み】

2020年4月より、CEによる一貫した内視鏡機器の管理を目的に、使用後点検を開始した。

【結果】

2019年度:15件、2020年度:111件、計:20,823分のスコピストを実施した。また2020年度に外科系手術で使用した内視鏡機器:511台中、444台(86.9%)の使用後点検を実施し、14件の不具合を発見した。

【考察・展望】

CEがスコピストを実施することは、医師の負担軽減と、円滑な手術室運営に貢献できると考える。また、CEが一貫した内視鏡機器の保守・管理を行うことで、術中の機器の不具合を未然に防ぐことが可能となり、安全な手術遂行に繋がると考える。今後は不具合が発生している場面を特定し、不具合の発生対策と、修理費軽減に取り組んでいきたい。

【結語】

CEによるスコピスト業務は、医師の負担軽減だけでなく、内視鏡機器の一貫した保守・管理が可能となり、安心・安全な手術の提供に寄与できる。