第27回近畿臨床工学会

講演情報

一般演題

オンデマンド配信(一般演題) » 手術室

手術室②

座長:村田 佑介(医仁会武田総合病院 臨床工学科)、定 亮志(大阪市立大学医学部附属病院)

[14-01] 手術支援ロボット増設に伴い曜日別使用枠を再考して

*定 亮志1 (1. 大阪市立大学医学部附属病院)

【はじめに】当院では平成26年に手術支援ロボットダヴィンチSiを1台導入し、これまで1000件以上のロボット支援下手術が実施されてきた。臨床工学技士はロボット支援下手術の機器導入から関わってきており、日常業務として前日準備、ドレーピング、機器操作、鉗子の管理等を行っている。今回、手術支援ロボットの更新および増設に伴い中央手術部に所属する臨床工学技士が各診療科の意見を集約し、手術支援ロボットの曜日別使用枠を再考した。運用開始から半年が経過したのでその有用性について考察する。

【方法】手術支援ロボットの更新、増設に向けて平成31年4月より臨床工学技士が主導となりワーキングを立ち上げた。10月より2台体制となることで、月30例以上を目標に掲げ、各診療科へ希望、年間予定症例数、待機患者数等を調査した。これまでの使用実績と調査票の結果を元に使用枠案を作成した。ワーキング内で提示し、各診療科への承認を得た。

【結果】令和2年10月よりダヴィンチXiの2台体制となった。10月~3月までのロボット支援下手術はそれぞれ37、34、31、24、23、34件、計183件であった。12月初旬よりコロナ禍の影響で手術制限をしたため、2か月間は減少したが、概ね目標を達成できた。

【考察】ロボット支援下手術の件数は2台体制とすることで増加した。手術室は急性期病院の要諦であり、その運営は効率性、透明性、公平性が求められる。臨床工学技士は手術室で中立的な立場であり、機器に関わるスペシャリストとしてその運営にまで関わる必要がある。今後、稼働率をモニタリングし、更なる効率的な運用を模索したい。

【結論】手術支援ロボットの効率的な運用を考えるため、臨床工学技士が関与することは有効であった。医師、看護師を中心とした手術室ではなく、我々臨床工学技士が積極的に関与し、手術室運営に関わって行くべきである。