The 27th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

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血液浄化③

[15-02] 人工腎部の移転を経験して

*新 健太郎1、定 亮志1、山本 亜依1、森本 一弘1、高橋 宏弥1、安岡 美咲1、松尾 光則1 (1. 大阪市立大学医学部附属病院 医療機器部)

当院の8階は昨年度まで人工腎部10床、周産期病棟、NICUの構成であった。2019年度にそれぞれの増床が決定し、人工腎部は2021年4月1日の運用開始目標で準備を進めていた。また、場所はスペースの拡充を目的に病院14階へ移転し、将来的には15床確保可能なスペースに12床運用で開始することとなった。関連部署やメーカーとの連携、移転日前後の患者受け入れ制限、想定外のトラブル等について経験したので報告する。
移転に伴い我々臨床工学技士は医療機器の購入や機器配置のレイアウト、透析液の水質確認を担当した。増床分のベッドや透析コンソールなど購入機器のリストアップを看護部など関連部署と合同で行い、それに伴う必要な書類の作成、物品のレイアウト確認など移転前に完了する内容については大きなトラブルなく終えることができた。移転直前は2クール以内になるように医師と看護師が共同で患者人数を調整した。移転前の治療最終日である3月29日、治療終了後から機器搬送を移転先へ行い、その後に洗浄を開始した。20時、洗浄を施行して暫くすると下のフロア(13階病棟)から水漏れの報告があった。そのため、透析装置の洗浄を行う予定であったが中止を余儀なくされた。水漏れの原因を施設課と確認すると排水管が正しく接続されていないことが発覚した。水漏れがあった病室の患者を避難させ、配管業者に連絡し対応を依頼した。夜間の作業は入院患者の迷惑と判断し、翌日に工事を施工することとなった。3月30日、工事完了後水漏れがないことを確認し、透析装置の洗浄を再開した。洗浄終了後に水質確認を行い正常範囲内であった。4月1日、トラブルなく治療を開始することができた。移転など、各部門やメーカーが関わる場面ではトラブルが発生しやすく、自分のみでは対処できない事例がある。それを早急に対応するためには各部門・各メーカーが連携することが重要である。