The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

一般演題1
心カテ、デバイス、その他

Sun. Oct 9, 2022 9:00 AM - 10:00 AM 第3会場 (Zoom)

座長:小倉 敬士(京都府立医科大学附属病院)、長谷川 慎一(滋賀県立総合病院)

[01-01] OCTで観察した血管内でのステントの長軸変形

*松田 翔希1、多田 智基1、桑原 大輝1、﨑 健祐1、亀井 理生1 (1. 奈良県総合医療センター 臨床工学技術部)

はじめに
心臓カテーテルにおける虚血治療(PCI)において使用されるデバイスに冠動脈ステント(ステント)がある. 決められた短軸長を超える大きさのバルーンで圧力をかけると,ステントは長軸方向に短縮すると言われており,それぞれのメーカーから情報提供されている.しかし臨床において血管内のステントの変形は短縮ではなく伸長が多いのではないかという疑問をもった.そこで血管内におけるステントの変形を光干渉断層撮影(OCT)で観察したので報告する.
方法
2018年1月から2020年7月の期間に行われたPCIでステント留置後,ステントの短軸長以上のサイズのバルーンを用いて後拡張を行なった症例を対象とした. 対象期間に使用されたステントは4種類であり,それぞれでステント留置後と最終のOCTでステントの長軸方向への変形を評価した.一病変に2本以上のステントを使用した症例は除外した.
結果
4種類中3種類のステントで長軸方向に伸長する変形を示した.また変形の方向は後拡張することで冠動脈基部方向への変形が多かった.
考察
血管内ではプラークや石灰化などの病変によってバルーンからステントへかかる力の方向が一定ではない.そのためステントの長軸方向に力が加わることが伸長変形の原因ではないかと考えられた.伸長の変形を示したステントは,ステントセルが長軸方向に引っ張られるように拡張されていることがOCTの3Dデータで描写されていた.血管は通常では中枢側の方が内腔が大きいためより力が逃げやすく,中枢側方向へ引っ張るように力が加わったことで多くのステントで冠動脈基部方向への変形が多くなったのでは無いかと考えられた.
結語
臨床においてはステントは短縮ではなく伸長の変形している場合がある.