The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

一般演題1
心カテ、デバイス、その他

Sun. Oct 9, 2022 9:00 AM - 10:00 AM 第3会場 (Zoom)

座長:小倉 敬士(京都府立医科大学附属病院)、長谷川 慎一(滋賀県立総合病院)

[01-02] 速いサイナスレートによってVペーシング不全が起きた1例

*往田 有理1 (1. 兵庫県立こども病院)

[はじめに]速いサイナスレート(As)によって、Vペーシング(Vp)不全が起きた症例を経験したので報告する。 [症例]男性2歳1か月、生後心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖と診断。1歳時Norwood術+肺動脈形成術後から完全房室ブロック(CAVB)となり、ペースメーカー術施行(VVI:110-150bpm)。外来にてフォローするがVレート(Vs)は<35bpmであった。2歳時Rastelli術+肺動脈形成術時にAリード追加しDDDへアップグレードとなる。術中心拍再開時よりAsが120-140bpmの為、DDD設定を基本レート(LR)100bpm、最大トラッキングレート(MTR)180bpmとした。小児集中治療室帰室時より間欠的にVp不全が見られた。[対応]循環器当直内科医より、総心房不応期(TARP)が影響してAsを認識できずVpが追従できていないと考え、センス後AVdelayを150→130msへ短縮しWenckbach作動にならないよう変更しても2分毎にVp不全が起こり、レートが乱れる現象が続いた。翌日、循環器内科医とペースメーカーチェックを実施。Vの閾値や波高値は問題なし。Vpが1拍延び、暫く(約2分程度)はAsに追従してAs-Vp作動(175-180bpm)が続き、再びVpが1拍延びる現象が起きた。Vpが1拍延びる現象はATflatter停止機能 (ブランクフラッターサーチ)が影響していると考えた。ブランクフラッターサーチをOFFするが現象は変わらず。頻拍停止作動を有する逆伝導停止機能(PMTインターベンション)を考え、OFFにしたところ現象は消失し、レートは安定した。判別するため、ブランクフラッターサーチをONにしたところ再度現象が起きた。 [考察]この症例は速いAs150bpm以上 (Vp-As間が400ms以下)と自己脈が無くペーシング依存度が高い(Vp:100%)事がATflatter停止機能と逆伝導停止機能の検出基準に当てはまり起きた現象であると考える。今回TARPがVp不全に影響していると考えしまい、原因究明が遅れた症例である。[まとめ]先天性心疾患を伴う小児の場合は心拍レートが早い事を留意し、今後は作動条件に当てはまる患者の場合は状況を考慮し、頻拍停止機能をOFFにする方針である。