The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

一般演題1
心カテ、デバイス、その他

Sun. Oct 9, 2022 9:00 AM - 10:00 AM 第3会場 (Zoom)

座長:小倉 敬士(京都府立医科大学附属病院)、長谷川 慎一(滋賀県立総合病院)

[01-03] 脊椎刺激装置(SCS)埋込後の疼痛緩和について

*田中 翔1、古谷 駿典1、橋本 尚樹1、藤野 公輔1、赤山 紀里香1、溝口 裕隆1、玉元 由果莉1、玉元 大輔1、半田 浩志1、杦本 保1 (1. 大阪暁明館病院臨床工学科)

背景:脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation:以下SCS)は神経障害性疼痛への緩和を目的とした治療法である。当院では2020年よりSCS装置埋込による治療が導入された。
埋込後の刺激の調整やプログラムの構成等、メーカーが立ち会うこともあるが、主に臨床工学技士が行うことになっており、その導入から外来フォローまで経験した1例を報告する.

症例:49歳 男性 腰椎ヘルニア術後歩行器を使用し、自力での歩行を試みた。しかし腰部の悪化、糖尿病による神経障害により歩行障害が生じ、SCS装置埋込に至る.

方法:SCS装置埋込後,入院中の約二カ月、一週間に一回の外来時、プログラマーを用いて刺激位置や刺激強度等の調整を行った。

結果:初回の調節で両下肢、両腰に刺激が流れるようになったが、リードの固定が不安定なのか日が経つと特に右下肢、右腰の疼痛部に刺激がこないことが多々見受けられた。そのためこまめにプログラムの調整をする必要があり、現在も一週間に一回来院してもらっている。その調節においても、疼痛部の中心に刺激が当たっているわけではないのが現状である。 しかし左下肢、左腰の調節は右下肢、右腰に比べて比較的良好な調節できており患者からの主張で疼痛の三割減に成功した。

考察: リードの固定が不安定な原因としては,術後すぐのリハビリ、入院生活での体動によるものであると考える。そのためSCSの概要等を他職種に理解してもらう必要があり、SCSの勉強会を開く等、他職種に情報共有をしていくことが今後必要である。 又,プログラムの調整をするにあたり、調節の過程を追っていくと、患者にとってうまく作用する調節になるプログラムの法則性が見受けられる。その法則性を論理的に理解し、試行錯誤していくことで、今後患者にとってよりよい疼痛緩和になるのではないかと考える。 現在は患者の主張で疼痛の三割減が限界である。今後の調節でプログラムが患者にどのように作用するかを見極め、まずは疼痛の全体の五割減を目指していく。