The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

Presentation information

一般演題

一般演題1
心カテ、デバイス、その他

Sun. Oct 9, 2022 9:00 AM - 10:00 AM 第3会場 (Zoom)

座長:小倉 敬士(京都府立医科大学附属病院)、長谷川 慎一(滋賀県立総合病院)

[01-04] ACS患者に対してHybrid ER SystemでPCI前にIMPELLAを挿入した一例

*河野 隼士1、加藤 知子1、小野寺 佑介1、前田 将良1、太田 雅文1 (1. 医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院)

【目的】Hybrid ER System(以下、HERS)とはアンギオ装置、CT装置と手術室仕様の空調が設置されている救急初療室である。CT診断を迅速に行い治療に繋げることから主に重症外傷などに対する診療・治療に有用なシステムとされ、当院では2019年12月にHERSを導入した。現在、当院は物品管理、人員などの理由からHERSでの心臓カテーテル業務は行っていない。今回、HERSにてACS患者に対し、PCIまでの待機時間にIMPELLA導入を経験したので報告する。
【方法】突然の前胸部絞扼感を主訴に当院ERへ搬入された72歳男性。搬入時胸痛持続しており、ショックを呈する身体学的所見を有していたため、ECMO導入なども考慮してHERSでの対応となった。HERSでの診察中にVfとなり、除細動にてROSC。ROSC後の心電図にて胸部誘導でのST上昇を認めた。STEMIの診断にて緊急PCIを行う方針となるも、心臓カテーテル室が定期症例で使用されており、治療までに時間が掛かる見通しとなったため、HERSにてIMPELLA導入を行った。
【結果】患者搬入時、心臓カテーテル室が稼働中であり、検査、治療開始時間の遅延を余儀なくされたがHERSの特性を活かし、IMPELLAを導入することによってDoor to unloadingを心臓カテーテル室での平均導入時間と比較して8分短縮することができた。
【考察】Door to unloadingの短縮はDoor to balloon timeよりも生命予後の改善に関与すると報告されている。HERSでIMPELLAを導入することは検査、治療待機時間の短縮、血行動態の安定や心筋ダメージの抑制ができる可能性があると考える。