The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

一般演題3
血液浄化①

Sun. Oct 9, 2022 11:20 AM - 12:20 PM 第3会場 (Zoom)

座長:重松 武史(平生会宮本クリニック)、瀬川 雅也(JCHO鞍馬口医療センター)

[03-02] 在宅血液透析(HHD)施行家庭における原水と逆浸透水における生物学的汚染度について

*宮平 純一1、久保 哲哉1、一色 啓二2、富田 一聖1,2、富田 耕彬1,2 (1. 第二富田クリニック、2. 富田クリニック(本院))

【背景】当院では在宅血液透析(以下HHD)において透析液を安全に使用するにあたり、日本透析医学会が定めた透析液 水質基準を満たすため、月に1度各家庭の水道水(以下原水)、逆浸透水(以下RO水)、透析液のエンドトキシン(ET)と細菌数について評価を行っている。しかしHHDで使用されるRO水はその使用が間歇的であり、未使用時に水が停滞するため水質管理が困難である。また各家庭においてRO水の水質のばらつきがあるが、その原因は明らかではなく、原水の水質がRO水の水質に影響を及ぼしている可能性がある。
【目的】各家庭における原水中の生菌数およびグラム陰性菌の死菌から遊離されるエンドトキシン 濃度について測定し、RO水の生物学的汚染度との相関について検討する。
【方法】当院でHHDを行っている8名の患者の家庭において原水とRO水の生菌数、ETを月に1回測定し、その相関について検討を行った。RO装置はMH500CX®、およびMJ-H1®(JWS社製)を使用し、測定期 間は2021年1月~3月の3か月間とした。
【結果】原水の生菌数は0からカウント不能までばらつきが大きく、RO水では(中央値(四分位) )8.35(0~62)CFU/mlであり、カウントが可能であった6名中5名の家庭で原水よりRO水の生菌の方が 多い結果となった。ETは原水で(中央値(四分位))0.2349 (0.0206~0.3866)EU/mL、RO水で 0.0169(0~0.2253)EU/mLとRO水で低い傾向にあったが原水とRO水との間に相関は認めなかった。
【考察】原水には0.1mg/L以上の塩素が含まれているため細菌が繁殖しにくいが、個人用RO装置では RO膜通過後にRO水が停滞する箇所が多く、また未消毒であることから生菌が繁殖したものと考えられた。ETはRO膜による膜濾過によりRO水では低くなったと推察された。消毒機能がない個人用RO装置において透析液の清浄度を担保するには個人用透析装置のエンドトキシン捕捉フィルタに頼らざるを得ないと考える。