The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

一般演題3
血液浄化①

Sun. Oct 9, 2022 11:20 AM - 12:20 PM 第3会場 (Zoom)

座長:重松 武史(平生会宮本クリニック)、瀬川 雅也(JCHO鞍馬口医療センター)

[03-04] アーチループ回路の有用性

*北森 正也1、今井 美穂1、山村 純基1、黒田 泰秀1、下川 美咲1、石田 龍太1、渡辺 雄祐1、浦野 晴香1、篠原 智誉1 (1. 三菱京都病院 診療技術部 臨床工学科)

目的
当院で日機装社製透析回路セットアーチループ(以下A回路)を使用している。A回路には廃棄コストや抗凝固薬使用量の低減など様々な特徴が存在する。今回臨床使用におけるA回路の有用性について検討した。

対象および方法
当院維持透析患者のうち同意を得た患者43名を対象に操作性、生体適合性、廃棄コストの3点をニプロ社製回路(以下N回路)と比較した。
評価期間はA回路2ヶ月間、N回路3ヶ月間、A回路2ヶ月間の順に計7か月とした。
操作性は回路組み立てからプライミング開始までの所要時間とスタッフへA回路の使用感についてアンケートを実施した。
生体適合性は活性化凝固時間(以下ACT)、血小板、血色素量を観察した。
コストは年間における感染性廃棄物容器使用数を試算した。

結果
組み立て所要時間はA回路が平均108±14秒、N回路が平均118±17秒と有意な差はなかった。
アンケートではA回路の特徴を実感できているという意見が全16名中15名であった。
ACTが透析開始180分後でA回路159±17秒、N回路が162±14秒。血小板、血色素量ともに有意な上昇を認めなかった。
年間の感染性廃棄物容器使用量はA回路のみ使用した場合758箱/年、N回路のみ使用した場合847箱/年。A回路のみ使用した場合、約11%減少の見込みとなった。

考察
N回路よりもA回路を使用した方が作業の効率化を図れると考えられる。またレイアウトがシンプルになり警報対応時に対処しやすいなどのメリットも考えられる。
生体適合性に関して、従来回路の生体適合性を維持していると考えられる。
A回路を使用することで感染性廃棄物容器にかかるコスト削減が期待される。

結語
A回路は操作性、コスト面において有用であることが示唆された。
今後機器更新時にA回路対応のコンソールを導入していくことで業務の効率化など業務改善案を検討していきたい。