The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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一般演題

一般演題7
高気圧酸素・内視鏡・手術

Sun. Oct 9, 2022 3:50 PM - 4:50 PM 第3会場 (Zoom)

座長:日岡 昭博(淡海医療センター)、青木 佑司(大津赤十字病院)

[07-05] 当院における骨盤ナビゲーションの実際

*山本 和輝1、三浦 晃裕1、小西 康司1、中野 健一2、前川 尚宜2 (1. 奈良県立医科大学附属病院 医療技術センター、2. 奈良県立医科大学 救急医学講座)

骨盤外傷に対する手術治療は専門性が高く、高度な技術を要する治療のひとつである。当院では従来、脊椎手術の一部でナビゲーションシステム(NGS)支援下手術を行っており、NGSに使用できるX線透視装置の導入を機に、骨盤骨折に対する観血的骨接合術(ORIF)における経皮的スクリュー固定に対してもNGS支援下手術を開始した。数年が経過し、手技が確立してきたため、当院の現状を報告する。
 当院では設備上の関係でfusion match法を採用している。リファレンスアレイの設置場所は手術体位に応じて、仰臥位や側臥位では上前腸骨棘、腹臥位では上後腸骨棘を主に選択する。術中CT撮像時は関西MISt研究会推奨の3Dドレープ法を参考にドレーピングを行い、仙骨尖部、仙腸関節、寛骨臼など、比較的特徴的な形状の部位を撮像するよう心掛ける。骨折の状態により骨盤動揺が激しい症例では、レジストレーションした部位以外の骨は誤差が大きくなる可能性が高いため、目的とする部位を入念にディスカッションすることが重要である。
 NGS対応のドリルガイドを使用し、スクリュー挿入時の刺入点や腸骨仙骨スクリュー(ISS)、経腸骨経仙骨スクリュー(TITSS)挿入時の通過位置をNGSで確認しながらキルシュナーワイヤー(Kワイヤー)を挿入する。スクリューはそのKワイヤーをガイドに挿入することで、画像上で狙った位置にインプラントする。
 従来のX線透視下手術にNGSが追加されることにより、医師の確認手段が増え、安全性が向上するとともに、被爆軽減に寄与していると考える。
 NGS支援下骨盤ORIFの方法は各施設の設備状況に依存する部分が大きい。当院の現在の設備では、多少複雑な方法を用いる必要があるが、適切に用いることで手術の安全性向上に寄与できると考える。