The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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公開会議

日本臨床工学技士会近畿地区災害情報コーディネーター会議

Sun. Oct 9, 2022 10:40 AM - 12:10 PM 第1会場 (Zoom)

座長:堀井 亮(済生会滋賀県病院)

[OM-5] 京都府臨床工学技士会災害対策の活動報告

一般社団法人京都府臨床工学技士会 災害対策委員会

*太田 雅文1、宮下 誠2、相田 伸二3 (1. 宇治徳洲会病院 臨床工学科、2. 京都第一赤十字病院 医療技術部 臨床工学技術課、3. 京都大学医学部附属病院 医療器材部)

<はじめに>
 京都府臨床工学技士会の災害対策委員のこれまでの活動は、2007年に京都透析医会へ協力を依頼し、京都府下の透析施設中心に医療圏ブロックの連絡網の作成を行い災害連絡網の訓練を実施した。それ以降は、大きな活動は特に実施されていなかった。
 今回我々は、文部科学省地球観測システム研究開発費補助金「首都圏を中心としたレジリエンス総合力向上プロジェクト」において、実大三次元震動破壊実験施設(以下E-ディフェンス)にて実施された、災害時重要施設の高機能設備性能評価と機能損失判定の研究に技士会の災害対策委員として協力する機会を得たので、E-ディフェンスにおける振動台実験の活動について報告する。
<目的>
 防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターにおいて、2021年12月に災害拠点病院を模した鉄骨造病院施設の実物大振動台実験を実施した。実験では、手術室、NICU、コロナ重症室、透析室などに医療機器を配置し、震災時における病院の機能損失について、定量的にデータを収集し医療継続が可能であるか検討した。
<方法>
 耐震棟と免振棟の試験体を世界最大級の震動台に設置し、3日間の大阪地域における南海トラフ地震を想定した地震震動50%や阪神淡路大震災のXY50%Z100%などの複数回の震動台実験を行った。
<結果>
 耐震棟試験体のほとんどの医療機器が転倒し、被害は大きく病院機能が継続するには厳しい状況であった。免振棟試験体の医療機器は、ほとんど被害はなかった。
<まとめ>
 今回、京都府臨床工学技士会の災害対策委員として、国家プロジェクトという大型実験に参加し貴重な経験ができた。先日、防災科学技術研究所から、膨大な実験データの集計結果が発表された。今後、その集計結果から我々臨床工学技士は、医療機器の配置や付属する患者回路、電源コード、医療ガスコードの配線など日頃からの取り扱いについて対策する必要があると考える。特に生命維持管理装置については速やかな検討・対策が必要であると考える。また、病院建築や建て替えの際に免震構造を提案することも臨床工学技士として必要であると考える。