The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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公開会議

日本臨床工学技士会近畿地区災害情報コーディネーター会議

Sun. Oct 9, 2022 10:40 AM - 12:10 PM 第1会場 (Zoom)

座長:堀井 亮(済生会滋賀県病院)

[OM-6] 当会の災害対策推進委員会の活動内容について

一般社団法人和歌山県臨床工学技士会 災害対策推進委員会 紀北担当

*松本 真季1 (1. 日本赤十字社和歌山医療センター医療技術部 臨床工学技術課)

【組織編成】
 和歌山県臨床工学技士会では災害対策の専門委員会として災害対策推進委員会を設置している。当委員会は理事を中心として部門連係担当(日本透析医会災害時情報ネットワーク、和歌山神経難病医療ネットワーク連絡協議会)、地域連携担当(紀北、紀中、紀南)と役割分担された計11名の会員で構成されている。

【活動内容】
 災害対策推進会議の開催、グループLINEの構築、災害に関する勉強会への参加、各保健所および県医務課との連携、日本透析医会災害時情報ネットワーク、和歌山神経難病医療ネットワーク連絡協議会との連携

【事例① 和歌山市花山交差点内の水道管修繕工事に伴う計画断水】
 2020年1月8日、市職員が交差点地下に埋設された水道管からの漏水を確認。漏水現場は市中心部につながる基幹水道管の可能性が示唆された。仮に断水すれば影響は市全体の5分の1にあたる約3万5千世帯に及ぶ。不断水工法での長期間作業による道路の大陥没のリスクを避けるために計画断水を発表したのは修繕工事3日前の夕方であった。断水の対象となった透析施設は3施設であり、早急な対応を求められる。近隣の透析施設も支援透析の体制づくりを余儀なくされた。当委員会はグループLINEを活用し、対象の透析施設の現状把握と支援透析体制の情報を共有した。現場を掘削した結果、漏水は基幹水道管ではなく枝分かれした細い管と判明。断水しないまま修繕し、同20日未明に作業は無事完了した。対象の透析施設は水道の安全宣言が出るまでの2日間、給水車による応急給水を受けることで支援透析を要請することはなかった。

【事例② 和歌山市六十谷水管橋の破損に伴う断水】
 2021年10月3日、和歌山市六十谷水管橋の破損により紀の川より北側の約6万世帯が断水となった。断水の対象となった透析施設は5施設であった。事例①の時と同様に当委員会はグループLINEを活用し、対象の透析施設の現状把握と支援透析体制の情報を共有した。約6日間断水したが、行政による透析施設への優先的な応急給水により支援透析を要請することはなかった。

【結語】
 災害対策推進会議の開催を通して顔が見える関係性とグループLINEを構築することで、現場からの報告をリアルタイムかつ詳細に受けることができた。
 今後は各施設で蓄積された経験と災害対策を共有することで和歌山県全体の災害対策の充実に寄与したいと考える。