[PD1-1] 人工呼吸器(VOCSN)を用いたMI-E
神経筋疾患や筋萎縮性側索硬化症では呼吸機能が低下すると咳嗽力も低下するため、気道クリアランスには機械による排痰補助装置(mechanical insufflation - exsuf- flation:MI-E)が用いられる。ピークフローメーターで測定した「咳嗽時の最大呼気流量(cough peak flow:CPF)」が排痰能力の指標になり、自力で有効な咳ができなければ、①吸気介助、②吸気介助と徒手による呼気時の咳介助、③機械による咳介助(MI-E)、④機械による咳介助(MI-E)と徒手による呼気時の咳介助、の順に施行される。神経筋疾患ではCPF が 270L/min 以下となると十分に排痰できず窒息や呼吸不全にいたる可能性がある(Bach JR, Ishikawa Y, Kim H:Prevention of pulmonary morbidity for patients with Duchenne muscular dystrophy. Chest. 1997;112:1024-1028.)。しかし、咳が弱く食べ物でむせても咳介助で出せるなら誤嚥性肺炎や窒息にならない(Toussaint M, et al. Disability and rehabilitation. http://dx.doi.org/10.3109/09638288.2015.1111434)。
気道クリアランスとMI-Eの国際ガイドライン(AARCやBTS等)は年々更新されており、呼吸器の医学専門誌の総説(Chatwin M, et al. Airway clearance techniques in neuromuscular disorders: A state of the art review Respir Med 2018;136:98-110)や神経筋疾患の医学専門誌の総説(Toussaint M, et al. 228th ENMC International workshop:Airway clearance techniques in neuromuscular disorders. Naarden, The Netherlands, 3-5 March 2017. Neuromusc Disord 2018;28:289-298)も示されている。2014年の「重症心身障害児の呼吸ケアの最適化に関するコクランレビュー」では重心にMI-Eは活用可能で今後の呼吸ケアの改善と研究に役立てられる(Winfield NR, Barker NJ, Turner ER, et al: Non‐pharmaceutical management of respiratory morbidity in children with severe global developmental delay)とされ、近年は急性期領域など多岐にわたるMI-E実績の報告も増えてきた。本邦では「神経筋疾患・ 脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン」:日本リハビリテーション医学会、2014年があり、「小児在宅人工呼吸療法マニュアル 第2版」:日本呼吸療法医学会、小児在宅人工呼吸検討委員会編、2022年8月が最新である。そのなかで相対的禁忌の対象は気胸などとされるが絶対的禁忌ではない。むしろ、MI-Eの上気道閉塞の誘発に注意しなければならない。
MI-Eに設定する主要な要素としては、オート(トリガーの有無含む)かマニュアル稼働、吸気/呼気の圧力、吸気/呼気/休止の時間、吸気の流量、振動の有無(有りなら振幅幅と振幅圧力)である。これらを初期導入時にどの程度から開始し、どこまで目指すかの明確な指標はまだ無いが欧米からの報告はあるので示す。さらに、気道クリアランスにMI-Eを用いる際は、安定した酸素化と十分に湿潤した気道を確保することも必要である。人工呼吸器(VOCSN)は酸素を付加し加温加湿されたエアでMI-Eができる。
気道クリアランスとMI-Eの国際ガイドライン(AARCやBTS等)は年々更新されており、呼吸器の医学専門誌の総説(Chatwin M, et al. Airway clearance techniques in neuromuscular disorders: A state of the art review Respir Med 2018;136:98-110)や神経筋疾患の医学専門誌の総説(Toussaint M, et al. 228th ENMC International workshop:Airway clearance techniques in neuromuscular disorders. Naarden, The Netherlands, 3-5 March 2017. Neuromusc Disord 2018;28:289-298)も示されている。2014年の「重症心身障害児の呼吸ケアの最適化に関するコクランレビュー」では重心にMI-Eは活用可能で今後の呼吸ケアの改善と研究に役立てられる(Winfield NR, Barker NJ, Turner ER, et al: Non‐pharmaceutical management of respiratory morbidity in children with severe global developmental delay)とされ、近年は急性期領域など多岐にわたるMI-E実績の報告も増えてきた。本邦では「神経筋疾患・ 脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン」:日本リハビリテーション医学会、2014年があり、「小児在宅人工呼吸療法マニュアル 第2版」:日本呼吸療法医学会、小児在宅人工呼吸検討委員会編、2022年8月が最新である。そのなかで相対的禁忌の対象は気胸などとされるが絶対的禁忌ではない。むしろ、MI-Eの上気道閉塞の誘発に注意しなければならない。
MI-Eに設定する主要な要素としては、オート(トリガーの有無含む)かマニュアル稼働、吸気/呼気の圧力、吸気/呼気/休止の時間、吸気の流量、振動の有無(有りなら振幅幅と振幅圧力)である。これらを初期導入時にどの程度から開始し、どこまで目指すかの明確な指標はまだ無いが欧米からの報告はあるので示す。さらに、気道クリアランスにMI-Eを用いる際は、安定した酸素化と十分に湿潤した気道を確保することも必要である。人工呼吸器(VOCSN)は酸素を付加し加温加湿されたエアでMI-Eができる。