The 28th Kinki Association for Clinical Engineers

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パネルディスカッション

パネルディスカッション2
今、内視鏡業務がおもしろい!

Sun. Oct 9, 2022 10:40 AM - 12:10 PM 第2会場 (Zoom)

座長:古田 朋之(近畿大学病院)、青木 佑司(大津赤十字病院)

[PD2-3] 手術室における内視鏡の関わり

*辻浦 真人1 (1. 地方独立行政法人 市立大津市民病院 臨床工学部)

医療機器の進歩はめざましく手術室分野においても多くの医療機器が導入され、より低侵襲かつ高精度で安全な手術が行えるようになり、更にはロボット×AIやICT、IoTといった技術の応用も期待され、ますますCEの役割は大きくなる。
 当院では2015年以前、手術室に専従CEが配置されておらず人工心肺などの臨床技術提供業務のみの関わりであった。当時の手術機器の状況は、整備不良や組み立て不良が頻発し、その影響で手術中断などが生じていたため、医師から専従化の強い要望を受けていた。院内で検討を重ねた結果、安全な手術環境を整えるべく手術室に1名専従者を配置し、手術機器の保守を開始した。開始後から徐々にトラブルは減少したが、特に鏡視下手術での清潔野のスコープやエネルギーデバイスのトラブルに対しては、対応が難しくできていなかった。そこで、清潔野トラブルに対応すべく翌年から器械出し業務を開始し、これまで発生していたトラブルに対し即座に対応することができ、手術時間の短縮や安全性向上につながった。現在では、CEの必要性が医師・看護師はじめ経営層からも高く評価され、3名体制で器械出し業務と専従業務をローテーションし、臨床技術提供、器械出し、保守管理、トラブル対応など手術室の中において幅広い役割を担い、手術室業務に関わっているCE全員、日々やりがいをもって充実した業務を行っている。
 また以前から医師に要望されていたスコピストに関しては、今回の法整備によりタスク・シフト/シェアでスコピストとしてスコープの操作ができるようになったことから、器械出しCEによるスコピスト業務を開始した。しかし、スコピストとしての病院内研修制度が充分確立出来ていない中で開始したことから、まだまだ医師の求めるレベルまでは到達できていないのが現状である。これから研修制度を確立させ、症例を重ねスコピストとしての充分なスキルを身につけるために日々研鑽していきたい。
 手術室業務を開始した当初は、手術室業務(特に器械出し業務)に対してネガティブなイメージを少なからず持っていたが、専門性を活かして機器の保守やトラブル対応をコツコツ積み上げたことで結果、手術の安全性は格段に向上し、経営層・医師・看護師・他コメディカルから大きな信頼を得ることができ、現在ではCEとして非常にやりがいのある業務として位置づけられるまでに成長させることが出来た。