最近の岩盤工学および鉱山開発に関するトピック

[A7-12] 掘削長100mに及ぶPDCパーカッションビットの性能評価

^○宮崎晋行¹, 大野哲二¹, 唐澤廣和¹, 高倉伸一¹, Eko Akhmadi², 寺倉稚晃², 松尾俊彦², 宮下庸介² (1.独立行政法人産業技術総合研究所, 2.三菱マテリアル株式会社)

司会:笹岡孝司(九州大学)

Keywords:パーカッション, 掘削, ビット, PDC, チップ, 摩耗, 花崗岩

PDCパーカッションビットを用いて掘削長約100 mにわたる花崗岩の掘削試験を行い，その耐久性を評価した。掘削試験では掘削長約50 mまでは沢入花崗岩を用い，それ以降は滝根花崗岩を用いた。沢入花崗岩の掘削中は掘削速度が漸減する傾向を示したのに対し，滝根花崗岩の掘削中には掘削速度はほとんど変化しなかった。チップの摩耗（ハイトロスの増加）は，沢入花崗岩よりも滝根花崗岩の掘削中の方が顕著であった。また，滝根花崗岩を掘削中（総掘削長約70 m）において，フェースチップ1個の明瞭な欠損が認められた。一軸圧縮強度が約200～240 MPaの硬質で研磨性の著しい花崗岩の掘削を，掘削長約100 mまで行えたという試験結果は，現場への投入が始まりつつあるPDCパーカッションビットの削孔作業への普及の可能性を示すものであると考えている。