鉱物処理

[2307] 加圧酸浸出法を用いた高シリカ含有銅鉱石からの銅の浸出

^〇韓百歳¹, Batnasan Altansukh¹, 芳賀一寿¹, 高崎康志², 柴山敦² (1.秋田大学大学院工学資源学研究科, 2.秋田大学国際資源学部)

司会: 日下 英史 (京都大学)

キーワード：低品位銅鉱石, 加圧酸浸出, 黄鉄鉱, 硫酸

本研究では、シリカ含有量が多くかつ銅品位が0.44 mass％と比較的低品位の銅鉱石（黄銅鉱を主要鉱物とする）を対象に加圧酸浸出法の可能性を調べた。本報では、硫酸濃度および黄鉄鉱（FeS₂）の添加量を変化させ、浸出条件を調べるとともに、銅の浸出率および回収される浸出液の銅濃度について検討を行った。実験では、パルプ濃度を10 %、浸出温度を170 ℃、浸出時間を1 hr、攪拌速度を700 rpmに固定し、硫酸濃度は0～1 M（mol/L）として浸出実験を行った。酸素加圧法では、実験装置としてオートクレーブを用い、酸素加圧により装置内の全圧が1.5 MPaになるよう調整した。また、加圧酸浸出時の酸化分解により生成する硫酸を利用するため、黄鉄鉱を適宜添加した。
硫酸浸出を行った結果、硫酸濃度の増加に伴い銅の浸出率は上昇し、0.2 M（mol/L）の条件下で94 %の銅が浸出され、銅濃度は0.4 g/Lになった。一方、黄鉄鉱を用いた結果、黄鉄鉱の添加量に伴い銅浸出率は上昇し、最大90 ％の浸出率が得られた。