1:20 PM - 1:40 PM
[3410] Permeability experiments of granite fractures using high pH water
司会:佐藤晃(熊本大学)
Keywords:花崗岩不連続面, 岩石透水試験, 高pH水
地下深部では,応力および温度が共に高く,構成鉱物の溶解・沈殿作用が顕在化することで,岩盤の透水特性に大きな影響を及ぼすと想定されている.そのため,処分施設近傍の天然バリアである不連続性岩盤の力学・水理学性の把握は必要不可欠である.本研究では,地層処分を想定した地下環境を想定し,単一不連続面を有する花崗岩供試体を用いて,温度を25 oCおよび90 oCに拘束圧を5 MPaに制御した透水試験を実施した.また,高pH水を透過水に用いることで,処分施設の人工バリアとして使用されるセメント系材料の溶解に起因する地下水の強アルカリ化を再現した.その結果,25 oC条件では,透過率の経時的な変化は観察されなかったが,90 oC条件では,透過率は時間の経過とともに減少する傾向がみられ,約200時間で2オーダー程度の透過率の減少が確認された.また,透水試験前後での鉱物組成の変化を観察するために行ったSEM-EDX分析では,石英の溶解やCSHの沈殿が確認された.以上の結果より,高温環境下における透過率の減少は不連続面内の鉱物の溶解・沈殿現象に起因していると考えられる.
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