一般社団法人資源・素材学会 平成28(2016)年度 春季大会

講演情報(2016年2月29日付)

一般講演

鉱物処理

2016年3月30日(水) 09:30 〜 12:00 第6会場 (東京大学)

司会:三木一(九州大学), 広吉直樹(北海道大学)

11:00 〜 11:15

[3606] 硫砒銅鉱のバイオリーチングにおける銀触媒の影響

小山恵史1, 平島剛1, 笹木圭子1, 三木一1, 沖部奈緒子1 (1.九州大学)

司会:広吉直樹(北海道大学)

キーワード:硫砒銅鉱, バイオリーチング, 銀触媒

近年の高品位銅鉱石の埋蔵量減少に伴い、硫砒銅鉱などを含む低品位の一次硫化銅鉱の利用が課題となっている。砒素を含有する硫砒銅鉱はその難処理性から、低コスト・低環境負荷での操業が必要不可欠であり、バイオリーチングの手法が有効であると考えられる。また、銀触媒を利用することにより黄銅鉱の溶解が促進したという報告があるが、硫砒銅鉱に対する有効性については知見が乏しい。そのため本研究では、中度好熱性細菌・古細菌4種を用いた硫砒銅鉱のバイオリーチングにおいて、銀触媒が及ぼす影響を評価し、さらにその浸出メカニズムを解明することを目的とした。結果として、硫化銀無添加系においては銅の溶出が45%に留まったが、硫化銀の添加量に応じて銅の浸出率が上昇し、硫化銀を0.04% (w/v)添加した系では最終銅浸出率99%を達成した。XRDの結果から、精鉱中に随伴する黄鉄鉱の溶解が硫化銀の添加によって抑制されていること、また、砒素と銀がAg3AsS4として不動化していることが明らかとなった。これらの結果を踏まえ、硫砒銅鉱のバイオリーチング効率化における銀触媒の役割を考察した。

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