Copper2016プレシンポジウム

[3713] 表面酸化による難処理硫化鉱の分離に関する研究

^○平島剛¹, 三木一¹, 松岡秀和¹, Suyantara G.P.W.¹, Elmahdy A. M.¹, 笹木圭子¹ (1.九州大学大学院工学研究院)

司会:中野博昭(九州大)

キーワード：黄銅鉱, 輝水鉛鉱, 分離, 酸化, 浮選

近年、銅鉱石の需要の増大にともない良質な銅鉱石は減少し、銅鉱石中の不純物、特にヒ素品位は年々増加傾向にある。ヒ素含有銅鉱物（ヒ四面銅鉱、硫ヒ銅鉱等）等と黄銅鉱等の分離は、表面性状が類似しているため困難で、得られる銅精鉱中のヒ素品位も徐々に高くなってきている。
また、斑岩銅鉱床を採掘する鉱山においては黄銅鉱、輝銅鉱などが主要な銅鉱物で、これらを含む銅鉱石には輝水鉛鉱が随伴することが多く、この銅-モリブデン鉱石は浮遊選鉱で処理され、銅精鉱に加え副産物としてモリブデン精鉱も回収されている。一般的な処理フローは、原鉱のバルク浮選にて銅-モリブデン精鉱を回収し、その後NaHSを用いて黄銅鉱を抑制し輝水鉛鉱を浮遊させ分離回収している。多段の分離浮選を必要とすること、このNaHSは酸性条件にて硫化水素を発生すること等の問題がある。
本研究では、表面酸化による黄銅鉱-ヒ四面銅鉱、黄銅鉱-輝水鉛鉱等の浮選分離、加熱酸化による各種硫化鉱物の磁力選別等について報告する。