資源開発技術・資源と社会

[1506] 資源メジャーの資産マネジメントに関する研究

^○佐々木順悠, 村上進亮 (東京大学)

司会: 安達毅(秋田大学)

キーワード：資源メジャー、現代ポートフォリオ理論、アセットマネジメント

長らく上昇トレンドにあった資源価格が下落しつつある。これは、資源関連企業にその資産の見直しを強いている。資源関連企業、特に多種にわたる資源の生産量において世界シェアの上位を占める資源メジャーが直面する変化とそれに伴う経営戦略について理解することは、資源輸入国である日本にとって、その安定供給確保のための戦略を考える上で非常に重要であると考えられる。資源メジャーの経営戦略について、個々の鉱山レベルでのリスクマネジメントや、資源価格の変動のみに着目した研究はいくらかあるが、企業全体での資産マネジメントに焦点を当てた研究はほとんど見られない。このような背景のもと、資源メジャーを中心に資産マネジメントについて分析を行い、その経営戦略について第三者的立場から把握することを本論文の目的とする。具体的には、資源メジャーが生産する各鉱種について鉱山等のすべてをリスク性の資産と定義し、現代ポートフォリオ理論を応用して各資産への最適投資比率を計算、これを実際の値と比較することで、資源メジャーが企業収益リスクを極小化する資産マネジメントを行っているのか把握、資源メジャーの資産マネジメント戦略を読み解く。