一般社団法人資源・素材学会 平成29(2017)年度春季大会

講演情報(2017年2月23日付)

企画講演

銅原料中の不純物低減に寄与する粉体精製技術

2017年3月27日(月) 13:00 〜 17:00 第2会場 (6号館 3階 636講義室)

司会: 柴山敦(秋田大学),所千晴(早稲田大学)

14:20 〜 14:40

[1212-21-04] 浮選法による銅精鉱湿式再磨鉱産物中の不純物除去

日下 英史1 (1. 京都大学 大学院 エネルギー科学研究科)

司会: 柴山敦(秋田大学)

キーワード:浮選、銅精鉱、不純物除去、砒素、ゼータ電位

近年、世界的規模で供給される銅精鉱中のAs品位が増加していることにより、日本で稼働している買鉱型銅製錬所における製錬事業の安定的な継続が困難となることが懸念されている。一般的に銅鉱石から銅精鉱を生産する際には破砕、浮選等々の工程を経るが、現在の鉱山操業では、銅精鉱中のCuの品位と回収率が優先されているため、各選鉱工程においてAs等の不純物除去を目的とした技術は十分に確立されていない。そこで筆者らは、再磨鉱により微粉化した銅精鉱に含有する含砒素鉱物や銅鉱物のいくつかを選定してそれら粉砕粒子の界面動電学的測定を行い、湿式粉砕を施した含砒素鉱物が酸化物と類似したゼータ-pH曲線を示すことを見出した。この結果を利用して酸化鉱浮選の代表的捕収剤であるアルキルアミン塩あるいはオレイン酸塩を用いることにより含砒素鉱物のみが浮遊すること、および、銅鉱物は浮遊しないことを浮選基礎実験で確認した。これらの結果を基に、As 1.4%含有する銅精鉱試料を対象に、その湿式磨鉱産物を対象にしたアジテア式浮選等の浮選試験を行い、As 2.7%を含む銅精鉱を浮選浮鉱中に回収する一方で、浮選尾鉱中に回収した銅精鉱中のAs品位を0.67%まで低減することに成功した。

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