一般社団法人資源・素材学会 平成29(2017)年度春季大会

講演情報(2017年2月23日付)

一般講演

リサイクル

2017年3月29日(水) 09:15 〜 12:00 第2会場 (6号館 3階 636講義室)

司会: 上田高生(産業技術総合研究所),松岡光昭(早稲田大学)

11:00 〜 11:15

[3201-10-07] 物理選別技術を用いた廃電子基板からのSn濃縮

原田 茂一1、芳賀 一寿1、高崎 康志1、川村 茂1、柴山 敦1 (1. 秋田大学)

司会: 松岡光昭(早稲田大学)

キーワード:Snリサイクル、廃電子基板、物理選別、カラーソーティング

廃電子基板は、主にCu製錬所で処理され、Cuおよび貴金属などが回収されている。しかし、廃電子基板に含まれるSnは溶錬工程において酸化されやすいためスラグ相へ分配しやすい。スラグはセメントや路盤材等に利用されるため、Snの金属としての回収率は低い。そこで、当研究室では銅製錬投入前に廃電子基板からSnを選択的に回収・精製するプロセスの構築を目的とし、物理選別と化学的分離操作を組み合わせた新たなリサイクル技術の開発を目指している。本発表では、物理選別技術として比重選別とカラーソーティングに着目し、Snの濃縮挙動を調査したので、その結果を報告する。廃電子基板に対し、破砕・粉砕・比重選別を行うと、重比重物としてメタルの混合物(以下、混合メタル)を得ることができた。この混合メタルは、粒径範囲が0.1~10mm程度であり、主要元素としてCu, Snがそれぞれ70%, 15%程度含まれている。また、元素分布の粒径依存性を調査すると1mm以上にSnが80%程度分布していた。今回は1mm以上の混合メタルを1~2mm, 2mm以上の2粒群に分け、それぞれに対しカラーソーティングを実施し、Sn濃縮の可能性を調査した。その結果、ある条件下で、高いSn品位および回収率の選別結果を得ることができ、Snの濃縮回収の可能性が示唆された。

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