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[3401-10-02] 凍結融解作用を受ける泥質片岩の破壊プロセスに関する破壊力学的手法による考察
司会: 及川寧己(産業技術総合研究所)
キーワード:泥質片岩、凍結融解、破壊プロセス、破壊力学、き裂進展
筆者らは片理が発達した泥質片岩を対象に凍結融解試験を実施し,ひずみの計測やX線CTによる観察からその破壊プロセスについて検討してきている。そして,凍結融解サイクルとともにき裂は徐々に進展するが,このき裂の進展はある特定の片理面に沿ってのみ見られることを明らかにしている。本研究では,上記の試験結果を力学的に解釈するために,泥質片岩中の片理面を複数の平行な片側き裂としてモデル化し,凍結時にこれらのき裂に膨脹圧(内圧)が作用するものと仮定して応力拡大係数の評価を行い,き裂の進展挙動について考察した。その結果,き裂長さと作用内圧がともに等しいときには,自由表面に近いき裂の応力拡大係数が最も大きくなること,一つのき裂が進展していくとその近傍のき裂の応力拡大係数は低下していくことなどを見出した。これらのことは,凍結融解作用により自由表面に近いき裂が進展しやすいこと,一つのき裂が進展し始めると他のき裂は進展しづらくなることを意味しており,破壊力学的な手法により泥質片岩の破壊プロセスの解釈が可能であることを示している。
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