一般社団法人資源・素材学会 平成29(2017)年度春季大会

講演情報(2017年2月23日付)

一般講演

岩盤力学

2017年3月29日(水) 13:00 〜 15:00 第4会場 (6号館 2階 622講義室)

司会: 藤井義明(北海道大学),奈良禎太(京都大学)

13:30 〜 13:45

[3411-17-03] 温度450 °C,封圧40 MPaまでの条件下における稲田花崗岩への水圧刺激

江川 基樹1、渡邉 則昭1、坂口 清敏1 (1. 東北大学)

司会: 藤井義明(北海道大学)

キーワード:脆性-延性遷移、弾性-塑性遷移、水圧刺激、EGS、稲田花崗岩

延性帯でのEGS(Engineered Geothermal System)実現のため,延性帯の岩石に対する水圧刺激に伴う破壊挙動の解明が必要である.そこで本研究では,延性条件下の花崗岩に対し水圧刺激実験を行い,生成き裂の形態,水圧刺激挙動および透水性の変化について明らかにした.
 水圧刺激実験の結果,水圧刺激流体の粘度が大きい場合,連続き裂が生成され,粘度が小さい場合,離散き裂が生成されることが分かった.また,X線CT値を用いたき裂の開口幅の計算から,き裂分布を3次元的に示した結果,離散き裂は,3次元的に分布していることが分かった(クラウドき裂).
水圧刺激挙動について,連続き裂が生成される場合,急激なブレークダウンが生じる一方,クラウドき裂が生成される場合,緩やかなブレークダウンが生じることが分かった.また,岩石の塑性領域では,岩石は変形量が大きくなるため,ボアホール孔壁の既存き裂が開口しやすいため,弾性領域よりも小さいボアホール水圧でブレークダウンが生じると考えられる.
 透水試験の結果,水圧刺激によって延性岩体に生成されたクラウドき裂についても浸透率が3桁程度増加した.このことから,このクラウドき裂を利用した熱抽出の可能性が示された.

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