一般社団法人資源・素材学会 平成29(2017)年度春季大会

講演情報(2017年2月23日付)

一般講演

岩盤力学

2017年3月29日(水) 13:00 〜 15:00 第4会場 (6号館 2階 622講義室)

司会: 藤井義明(北海道大学),奈良禎太(京都大学)

14:30 〜 14:45

[3411-17-06] 地下備蓄基地における高精度傾斜計による空洞周辺の地震応答の観測

廣岡 知1、渡部 利文2、城代 邦宏2、塚田 和彦3、朝倉 俊弘3、冨田 敦紀4 (1. JX金属探開株式会社、2. 日本地下石油備蓄株式会社、3. 京都大学、4. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)

司会: 奈良禎太(京都大学)

キーワード:地下岩盤タンク、高精度傾斜計、永久的な傾斜変化

串木野国家石油備蓄基地では1994年から地下岩盤タンクに原油が貯蔵されている。岩盤タンクは天然の堅硬な岩盤及び地下水を利用した半人工構造物であり、岩盤タンク湧水量、地下水位、水封水位等の計測により貯蔵状態の監視が行われている。岩盤タンクの空洞安定性監視を目的として、操業開始以降種々の調査・計測が導入されてきた。そのなかでも、高精度傾斜計は10-9radという高い分解能を有し、潮汐、気圧変動、地震、原油の払出・受入などに伴う微小な岩盤挙動を検知できる。ここでは、計測開始後約10年間にわたる地震時の傾斜応答の観測結果について述べる。特に、高精度傾斜計により検知した地震時の傾斜変化には、永久的な傾斜変化が認められる場合があり、本稿ではこれに着目する。代表的な地震時に生じた永久変位について考察し、大規模空洞の位置、周辺地質構造、九州地方の地殻変動なとの関係について述べる。さらに2016年4月に発生し、前震及び余震を多数伴った熊本地方の地震活動において観測された永久的な傾斜変化についても考察する。

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