一般社団法人資源・素材学会 平成30(2018)年度春季大会

講演情報(2018年2月23日付 確定版)

企画講演

粉体精製工学部門委員会学生賞セッション

2018年3月27日(火) 09:25 〜 12:00 第4会場 (3号館4F, 35号講義室)

司会:芳賀 一寿(秋田大学),松岡 光昭(関西大学)

09:45 〜 10:00

[1401-09-02] 層状復水酸化物であるGreen Rustを用いた4価および6価セレン除去機構の比較検討

○小野口 愛奈1、余 哲邦1、Mamun Abdullah Al1、Granata Giuseppe1、所 千晴1 (1. 早稲田大学)

司会:芳賀 一寿(秋田大学)

キーワード:グリーンラスト、セレン、XAFS分析、酸化還元、吸着

セレン(Se)は、4価(Se(IV))と6価(Se(VI))の形態があり、どちらも水酸化物共沈法などの汎用的な方法による処理が困難な有害元素として知られている。これまでSe(VI)の効果的な除去方法は知られていなかったが、近年の報告よりGreen Rust(GR)の高い還元能力がSe(VI)除去に効果的であることが判明した。しかしながら、Se(IV)に対するGRの除去特性は詳細に解明されていない。

そこで、本研究ではSe(IV)およびSe(VI)を対象として、GRによる除去の機構をpH8と9で比較した。分析は、ICP-AESおよびSe端またはFe端のXAFSを中心とした。Se(IV)の場合、pH8では吸着反応のみにより除去されていることが確認され、対してpH9では吸着反応だけでなくSe(IV)の還元反応も発生していることが示唆された。この還元反応に伴いGRはGoethiteへと酸化していた。また、Se(VI)の場合はpHによらずSe(VI)が還元されており、それに伴ってGRはMagnetiteおよびGoethiteに酸化していた。
上記の酸化還元反応におけるSeとGRの電荷の放出、受取量が等しいことから、Seの還元反応はすべて、スラリー状であるGRのみを相手に発生した固相反応であると示唆された。また、授受された電荷量はSe(IV)よりSe(VI)のほうが多くなった。これはSe(VI)還元反応の標準酸化還元電位がSe(IV)より小さいため、反応が促進されたと考えられる。

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