一般社団法人資源・素材学会 平成30(2018)年度春季大会

講演情報(2018年2月23日付 確定版)

企画講演

粉体精製工学部門委員会学生賞セッション

2018年3月27日(火) 09:25 〜 12:00 第4会場 (3号館4F, 35号講義室)

司会:芳賀 一寿(秋田大学),松岡 光昭(関西大学)

11:15 〜 11:30

[1401-09-07] マイクロ波照射による表面酸化が黒鉱型銅鉱石の浮選挙動に及ぼす影響

○髙橋 一将1、劉 暢之1、グラナタ ジュセッペ1、所 千晴1 (1. 早稲田大学)

司会:松岡 光昭(関西大学)

キーワード:選鉱、マイクロウェーブ、銅鉱石、XAFS、浮選

近年、鉱物組成が複雑で忌避元素濃度が高い難処理銅鉱石への選鉱の必要性が高まっていることから、本研究では、マイクロウェーブ(Microwave, MW)照射による銅鉱石の浮選挙動への影響を、X線吸収微細構造(X-ray Absorption Fine Structure, XAFS)測定による表面分析から検討した。

まず、黄銅鉱(CuFeS2)、閃亜鉛鉱(ZnS)、方鉛鉱(PbS)、黄鉄鉱(FeS₂)の4種類の鉱物標本試料に対してそれぞれマイクロウェーブを照射するとともに放射温度計を用いて鉱物の温度変化を測定した。その結果、閃亜鉛鉱以外の鉱物では照射直後から温度が急激に上昇した。そこで、閃亜鉛鉱を除く3種類の鉱物に対してマイクロウェーブ照射後の鉱物表面の状態を蛍光法によるXAFS測定により把握したところ、方鉛鉱と黄鉄鉱表面に酸化物の生成が確認された。

次に、これらの鉱物種を含むミャンマー産黒鉱型鉱石に対してマイクロウェーブを照射し、さらに浮選試験を行ったところ、方鉛鉱と黄鉄鉱の選択的な抑制が確認された。このことから、マイクロウェーブ照射は黒鉱型鉱石内の方鉛鉱と黄鉄鉱の表面を選択的に酸化させ、浮選挙動を抑制すると考えられる。

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