一般社団法人資源・素材学会 平成31(2019)年度春季大会

講演情報(2019年1月23日付 確定版)

春季学生ポスター発表

環境

2019年3月7日(木) 15:50 〜 17:20 環境 (6号館 1階)

15:50 〜 17:20

[2P0110-14-04] 内生細菌が関与するヨシ(Phragmites australis)におけるウラン(238U)及び重金属(Fe、Mn)蓄積メカニズムの解明

○中本 幸弘1、山路 恵子1、春間 俊克1、土山 紘平1、小原 義之2、田中 万也2、福山 賢仁2、福嶋 繁2 (1. 筑波大学、2. 日本原子力研究開発機構)

キーワード:ヨシ、ウラン、重金属、内生細菌、人形峠ウラン鉱山

近年、鉱山跡地において植物や微生物を利用した浄化方法に注目が集まっている。この候補植物の1つにヨシがあり、ウランや重金属を吸収することが知られているが、具体的なメカニズムは未だ解明されていない。植物の重金属の吸収や耐性の獲得には、植物に内生する菌の働きが関与するという報告がある。本研究では、日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターが所有するウラン鉱山跡地に自生するヨシを対象とし、内生細菌との相互作用を考慮した、ヨシにおける238U及び重金属蓄積機構を明らかにし、ヨシによる水質浄化メカニズムの解明を目的とした。
 本調査地に自生するヨシを採取し、含有元素濃度を測定した結果、ヨシの根に高濃度のFeおよびMnの蓄積が確認され、根には鉄プラークと呼ばれる黒色物質の存在が確認された。ヨシ根の鉄の局在を観察した結果、表皮細胞への蓄積が確認された。以上の結果より、ヨシは根に高濃度のFeおよびMn蓄積能を有することが判明した。また、根より分離された内生細菌には高いシデロフォア産生能を有する菌株が確認され、鉄の吸収・蓄積に関与している可能性が示唆された。現在、238Uの蓄積についての経時的データを取得中である。

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