リサイクル

[2P0115-30-06] 高電圧パルス破砕技術を用いた燃料デブリの選択的破砕処理に関する基礎的検討

○菅 紗世¹、飯塚 淳¹、柴田 悦郎¹ (1. 東北大学)

キーワード：高電圧パルス、異相境界面優先破壊、絶縁破壊、燃料デブリ

福島第一原子力発電所の事故においては，溶融し再度固化した燃料や炉内構造物等からなる燃料デブリが発生した．廃炉に向けて原子炉をより安定で安全な状態にするため，燃料デブリの取り出しが行われることが決定しており，原子炉内部の調査や取り出しに向けた技術開発が行われている．しかし，燃料デブリの取り出しおよびその後の処理・処分については未だ課題が多い．燃料デブリはウラン等を多く含む放射線量の高い酸化物相と，鉄とジルコニウムを主とする放射線量の比較的低い合金相とが複雑に混ざり合っていると推定されている．これらを分離することができれば高レベル放射性廃棄物の減容化に繋がると考えられるが，通常の技術では困難である．そこで，廃小型家電のリサイクル等で応用研究がなされている高電圧パルス破砕技術に注目した．この技術では異なる物質の界面において選択的に破砕が生じることが期待される．本研究では，燃料デブリの処理に対する高電圧パルス破砕技術の有用性を，模擬燃料デブリを用いたコールド試験により評価することを目的とする．