資源開発技術／開発機械／岩盤工学

[3K0101-10-02] 地震探査における全波形情報を用いたメタンハイドレート賦存層推定法の基礎的研究

○川部 瑞貴¹、三ケ田 均¹、武川 順一¹ (1. 京都大学)

司会：才ノ木 敦士（熊本大学）、羽柴 公博（東京大学）

キーワード：メタンハイドレート、地震探査、全波形逆解析

メタンハイドレート（MH）賦存域の探査には地震探査が広く用いられており，MH層の最下部を示すと考えられる海底疑似反射面（BSR: Bottom Simulating Reflector）を見つけることを目的に多くの探査が実施されてきた。しかし，BSRはMHが存在する領域の指標とはなり得るものの，その資源量を正確に評価することは，従来の地震探査では困難であった。一方，近年注目されている地震探査手法に全波形逆解析がある。これは，受振された波形情報全てを用いて地下の速度構造を逆解析する手法であり，波長の半分程度の解像度で地下速度構造を推定することが期待される。本研究では，MH層の探査に全波形逆解析を適用することを想定した数値実験を実施した。MH層は周辺の地層に比べて高い減衰を示すことから，特に，減衰に関するパラメータであるQ値に着目した逆解析をおこなうことで，より高精度なMH層の資源量評価に資するための情報を地震波形から抽出することを目指した。数値実験の結果，全波形情報を用いることで地下のQ値を逆解析することができ，これによって，地震探査によるMH層の高精度な資源量評価の可能性が示唆された。