一般社団法人資源・素材学会 平成31(2019)年度春季大会

講演情報(2019年1月23日付 確定版)

企画講演

休廃止鉱山のグリーン・レメディエーションに関する研究動向

2019年3月8日(金) 09:00 〜 12:10 第3会場 (6号館 3階 635講義室)

司会:五十嵐 敏文(北海道大学)

09:05 〜 09:25

[3K0301-10-01] グリーン・レメディエーションを活用した休廃止鉱山鉱害防止対策に係る国の取組み

○長尾 憲治1 (1. 経済産業省)

司会:五十嵐 敏文(北海道大学)

キーワード:休廃止鉱山、坑廃水、予算措置、リスクコミュニケーション

金属鉱山は、事業終了後も坑口や集積場から重金属を含んだ坑廃水が流出し続ける特徴があるため鉱害防止対策が必要であり、義務者が存在する場合は鉱業権者が、義務者が不存在の場合は地方公共団体が坑廃水処理を実施している。
鉱害防止対策に係るコストの低減は、鉱業権者及び地方公共団体の費用負担軽減の面のみならず、同事業が国の補助対象事業であることから、国民経済負担の軽減の面からも重要な課題である。このため、金属鉱業等鉱害対策特別措置法の第5次基本方針においても「坑廃水処理事業を確実に実施するとともに、事業の妥当性、効率性等について事業評価を行い、坑廃水処理の終了や新たな鉱害防止技術の導入等によりコスト削減努力を行う。」と謳われている。
このような背景の下に経済産業省は、今後の鉱害防止対策として休廃止鉱山を元山の性状に戻す「グリーン・レメディエーション構想」を適用することとし、平成30年度からシーズ選定等を目的とした「休廃止鉱山におけるグリーン・レメディエーションの調査研究事業」を開始するとともに、より実用化を見据えた「休廃止鉱山における坑廃水処理の高度化調査研究事業」も開始している。これらの調査研究事業の成果を踏まえ、休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助事業等の導入支援措置と併せるとともに、コスト削減だけでなく、強化される環境規制に対応する観点から利水点管理の考え方の導入も見据え、休廃止鉱山が行う鉱害防止事業が抱える課題の効果的な解決を図っていく。

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