非鉄金属製錬業における課題と解決に向けた取り組み

[1K0401-07-07] 副産物の有効利用に向けた機能材料開発；Enargite型Cu₃As(S,O)₄の太陽電池材料としてのポテンシャル

○鈴木 一誓¹、小俣 孝久¹、大橋 直樹²、渡邉 寛人³、浅野　 聡³ (1. 東北大学、2. 物質・材料研究機構、3. 住友金属鉱山㈱)

キーワード：不純物、硫砒銅鉱、砒酸銅(I)、太陽電池

非鉄金属製錬産業では良質な原料鉱石の入手が困難になり，不純物の含有量が多い低品質鉱石を使用せざるを得ない状況となりつつある．このため，砒素, カドミウムなどの副産物の生産量は使用量とは逆に今後増加していくものと見込まれる．これらの副産物でも，社会的要求が高く，かつ，厳重な管理が可能なエネルギー材料であれば，応用展開が可能であることはCdTe太陽電池の例を見れば明らかでる．このような展開は，資源の乏しい我が国では特に，資源の有効利用の観点からも考えるべき一つのアプローチと思われる．本研究では砒素の有効活用の視点から，直接バンドギャップが約1.4eVであり太陽電池材料としての可能性が以前から指摘されているEnargite型Cu₃AsS₄について，第一原理計算からそのポテンシャルを改めて研究した．その結果に基づくと，未だその存在は報告されていないが同じ構造のCu₃AsO₄は，Cu₃AsS₄よりも優れた特性が期待できることが示唆されたので，Enargite型Cu₃AsO₄についても第一原理計算からそのポテンシャルを研究した．