資源・素材2019(京都)

講演情報(2019年8月9日付 確定版)

企画講演

休廃止鉱山のグリーン・レメディエーションに関する研究動向

2019年9月24日(火) 13:00 〜 17:00 第8会場 (C3 1階 講義室1(b1N01))

司会:宮田 直幸(秋田県立大学)、五十嵐 敏文(北海道大学)

15:30 〜 15:45

[1K0801-14-09] 鉱山跡地において、内生菌が関与するススキの有害金属耐性機構の解明

○春間 俊克1、山路 恵子2、卢 星燕2、土山 紘平2 (1. 日本原子力研究開発機構・原子力科学研究部門、2. 筑波大学・生命環境)

キーワード:ススキ、内生菌、金属耐性

ススキは生態遷移初期に優占し、日本の複数の鉱山跡地に自生するため、鉱山跡地の緑化に有用であると考えられる。ススキは生息する土壌環境によって、高濃度のAlやZnを根に蓄積していたため、AlやZn耐性を有すると考えられた。近年、植物の根に生育する内生菌が植物の有害金属耐性を増強することが確認されている。本研究では鉱山跡地に自生するススキを対象としてススキ-内生菌相互作用によるAlおよびZn耐性機構を解明し、緑化への有用性を考察する。A鉱山跡地のススキは根に高濃度のAlを蓄積していた。根からは高いAl解毒物質産生能を示す内生菌Chaetomium cupreumが分離され、Al解毒物質としてオースポレインを産生することが明らかとなった。ススキにC. cupreumを接種したところ、生長促進や菌糸へのAl蓄積およびオースポレインの産生によるAl耐性の増強が確認されたため、内生菌がススキの鉱山跡地への定着を促進する可能性が示唆された。B鉱山跡地のススキは根皮に高濃度のZnを蓄積しており、ターンオーバーによるZnの排除機構を有すると推察された。今後、B鉱山のススキに対する内生菌の機能を解明する。

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