資源・素材2019(京都)

講演情報(2019年8月9日付 確定版)

企画講演

休廃止鉱山のグリーン・レメディエーションに関する研究動向

2019年9月24日(火) 13:00 〜 17:00 第8会場 (C3 1階 講義室1(b1N01))

司会:宮田 直幸(秋田県立大学)、五十嵐 敏文(北海道大学)

15:45 〜 16:00

[1K0801-14-10] 根の呼吸から評価する生態系の健全性:芽生え~大木の実測

○森 茂太1、黒澤 陽子2、王 莫非2、山路 恵子3、土山 紘平3、春間 俊克4 (1. 山形大学、2. 岩手大学連合大学院、3. 筑波大学、4. 日本原子力研究開発機構)

キーワード:根、呼吸、樹木個体、森林生態系

鉱山跡地への森林生態系の持続的な再生には、まず根系が土壌に接して栄養塩類を十分に吸収し、さらに地上部分が十分に光合成を行い、樹木個体が健全に成長して自己再生する必要がある。従来の樹木生理学では、樹木への重金属ストレス評価研究は1枚の葉で行われることが大半であった。しかし、森林生態系の持続的な修復のためには、1枚の葉の生理評価研究でなく、根を含んだ芽生え~大木で健全性を評価して、種子~芽生え~稚樹~成木の成長健全性を確保する必要がある。

そこで、我々は芽生え~大木まで根を含む樹木全体の呼吸を直接、正確に実測する方法を開発した。呼吸は生命維持のためのエネルギーフローであり、健全性評価の最も重要な指標の一つである。この方法で、シベリア~熱帯のあらゆる生態系の網羅的樹種で芽生え~大木まで全部位(根、幹、枝、葉)の呼吸を約1000個体で正確に測定してきた。測定対象には、枯死寸前の不健全個体~成長活発な健全個体まであらゆる状態の樹木個体が含まれる。その結果、世界中の多様な環境と系統を超えて樹木個体のエネルギーフローは一定範囲で一定傾向を持つことを明らかにした(Mori, Yamaji et al, 2010, PNAS, https://www.pnas.org/content/107/4/1447)。 この世界最大の個体呼吸の実測データベースに、鉱山跡地に生育する樹木個体の呼吸を加えて相対的なエネルギーフローを評価することで、再生森林の健全性や持続性を評価できると考えた。さらに、対象とした樹木個体の根系の内生菌の有無も検証する。

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