資源・素材2019(京都)

講演情報(2019年8月9日付 確定版)

若手ポスター発表 ショート講演

地球・資源分野ショート講演

2019年9月25日(水) 09:30 〜 11:16 第1会場 (C1 1階 講義室3(172))

10:10 〜 10:18

[2K0101-12-06] 深層学習を用いた音響データからの熱水噴出シグナル検知手法の検討(発表者:修士課程)

○高尾 和宏1、岡本 弘野6、中村 謙太郎1、北田 数也4、川口 慎介4、熊谷 英憲4、安川 和孝1,2、高谷 雄太郎5,1、加藤 泰浩3,1,2 (1. 東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻、2. 千葉工業大学次世代海洋資源研究センター、3. 東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター、4. 海洋研究開発機構、5. 早稲田大学創造理工学部環境資源工学科、6. 東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻)

キーワード:海底熱水鉱床、MBES、深層学習、機械学習、物体検出

1979年,東太平洋のガラパゴス諸島沖で海底熱水と呼ばれる重金属に富んだ高温の熱水噴出が発見されて以来,これまでに300ヶ所以上の熱水噴出孔の発見が報告されている (Hannington et al. 2011).この熱水は,海底から噴出する際に周囲の海水と混合・反応することで熱水中の重金属を析出し,これにより熱水噴出口の周囲に多量の重金属が沈殿・集積して「海底熱水鉱床」が形成される (中村, 2017).海底熱水鉱床は銅や亜鉛,鉛などのベースメタルに富んでいる他,金や銀などの貴金属,ガリウムやゲルマニウム,セレンなどのレアメタルも含んでいることから,これらの金属の新たな資源として注目されている.

海底熱水鉱床の開発に向けて解決すべき重要な課題の一つが,探査の効率化である.近年,海底熱水鉱床の探査手法の一つとして,マルチビーム音響測深機 (MBES) により熱水兆候を捉える手法が提案されている (棚橋ほか, 2014; Nakamura et al., 2015).この手法は,船上から海底に向かって発した音の反射波を受信して水深を測るMBESを用いて,熱水そのものや熱水と共に海底から湧き上がった二酸化炭素の液滴を捉えるものである.船上からでも熱水噴出孔を 10 m オーダーの精度で絞り込むことができる高解像度な探査手法であることから,熱水鉱床を効率よく探査する手法として注目されている.このMBESによる熱水噴出孔の探査のシグナル検知は,現状では音圧分布を示す画像から観測者の目と勘に頼って行われている.しかし,今後MBESを用いた広域探査手法の普及を図っていく段階においては,膨大なデータから効率よく熱水兆候を検知するために,処理を自動化することが望まれる. さらに,将来的には自律型の洋上無人探査機 (Autonomous Surface Vehicle, ASV) や無人潜水機(Autonomous Underwater Vehicle, AUV) が探査の主役となり,海底熱水鉱床の探査が完全に自動かつ無人で行われるようになることも予想される.このような,将来の無人探査の時代においては,観測データ解析の自動化は必須の技術的課題であると言える.そこで本研究では,MBESの観測データに複数の深層学習モデルを適用し,その熱水兆候の検知性能を比較することで,有効な海底熱水鉱床自動検知手法の確立を試みた.

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